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2023年8月にArcをインストールしたんですが、日本語非対応という巨大な壁に阻まれてしまい、使いこなせずにいました。

最近になって、AppSheet製アプリ専用として使い始めたところ、あれ、結構面白いんじゃないのArc!? となったんですね。

仕事の繁忙期がやっと過ぎ去ったタイミングで、本腰を入れてArcをいじってみました。

今回のポストでは、基本的な操作と「こうするとこうなるよ」程度のざっくりとした解説をします。プロファイルやスペースの切り替え、マルチログインなどに興味がある方は別記事をご覧くださいませ。

Arcのスペースをあれこれ触ってみる

Arcのスペース全体
Arcのスペース全体像

Arcの作業場である「スペース」の全体像はこんな感じです。サイドバーとツールバーがあり、タブはウインドウ上部ではなくサイドバー上で切り替えます。

さてさて、ここで説明するのは以下の項目です。

  • タブ作成・検索・削除
  • ツールバーの表示・非表示
  • 画面分割(スプリット)と拡張機能
  • スペース設定関連メニュー(の一部)
    • フォルダ作成:ピンに作られる
    • スペース名変更
    • アイコン変更
    • テーマ:色変更メイン?
    • プロファイル切り替え

あまり細かい設定まで突っ込んで書きません。興味がある方はとりあえずArcインストールしようぜ!ってことで。

追記

ブクマとピンについてはArc特有の使いにくさ・使いやすさがありました!

詳細は別途書きます……。

タブ作成・削除・保存(ピン留め)

タブ操作
タブの操作

ブラウザなので、主役は検索タブですね。初期画面はウインドウ(枠)だけでタブはなく、以下のいずれかの方法でタブを作成します。

  • サイドバーの「New Tab」
  • サイドバー上部の検索ボックス
  • ツールバーのURL部分

正攻法としてはサイドバーの「New Tab」ですね。タブを作ってから検索ではなく、検索するとタブが爆誕します。

またツールバーを非表示にしていると、サイドバー上部に検索ボックスが出現します。ここから検索しても同じです。

ん?検索するたびにタブが増える!? んなことはありません。

サイドバーの検索ボックス

こちらはArc公式サイトを開いた状態のサイドバー上部です(画像ちっさ)。

ツールバー表示時
ツールバー=サイドバーの検索ボックス

ツールバーを表示させると、サイドバーの検索ボックスは消えます。

どちらもArcのURLが表示されている、つまりサイドバーの検索ボックスボックス形状であっても「ツールバー縮小版」ってことです。

Chromeと同じくツールバーに直接ワードを打ち込んで検索すれば、タブを増やさずに検索できます。

  • Arc公式のタブを残して新タブ作成:サイドバー「New Tab」
  • タブは増やさない:ArcのURLが表示されているツールバー・検索ボックスから検索

説明わかりにくいな……。

Arcのタブはサイドバーに縦積みされるので、サイト名が非常に見やすい。Chromeでタブを増やすとタブが狭くなって名前が見えないし、タブをクリックしたら間違って「×」を押しちゃった!みたいなことが起こります。あ、私だけ?

Arcは大雑把人間の救世主かな。

増殖したタブを一気に閉じたい時は「Clear」ワンクリックでアーカイブできます。

あえて閉じる必要がないタブ・後で使うかもしれないタブは放置でOK。一定時間経過すると自動的にアーカイブされます。アーカイブまでの時間・日数は数段階(MAX30日)で設定可能です。

「アーカイブされたら困る!明日も使いたい!だけどブクマするほどでもない」って時はピン留めしましょう。ピンエリアにタブをドラッグすればピン留めできます。

補足

ピンは「スペース」に紐付いて保存されるブクマ、みたいなもの。

ツールバーの表示・非表示

バーの表示非表示
恐ろしくスッキリしすぎる

サイドバーとツールバーを非表示にすると、ウインドウ内がかなり広いです。今何のアプリを使っているのかわからないぐらい「Webページ」以外のものが排除されます。ちょっと不安になるレベル。

ツールバーはそもそも高さがないので邪魔にならないと思いきや、ノートPCではインパクトが大きかったですね〜。Chromeは上部コンポーネントを完全非表示化できないので、ArcはノートPC派にArcがうってつけだと思います。

また、サイドバーを非表示にしても「ウインドウの左に格納されている」だけなので、左の枠にホバーするとニュッと出現します。Notionのサイドバーに似ていますね。

画面分割(スプリット)と拡張機能

スプリットと拡張機能
Arc全部盛りかよ

ウインドウの右上にひっそりと三点メニューがあるんです。これにホバーすると、画面分割(スプリット)拡張機能のメニューが出現します。

Arcはブラウザらしからぬ機能をいろいろ搭載している変態ブラウザ(褒めている)で、その一つがスプリットビュー。Macのスプリットより断然使いやすいですね〜。この記事の執筆はArcの左右スプリットを使っています。縦分割も横分割も可能です。

サイドバーやツールバーを非表示にしておけば、狭くなりがちなスプリット表示もある程度の広さが確保できます。

またArcはChromiumベースのブラウザなので、Chromeの拡張機能が使えます。

まあ、確定申告とかe-Taxはできないだろうな……。

スペース設定関連メニュー(の一部)

サイドバーの設定
サイドバーを右クリックするとメニューが開く

サイドバー上で右クリックすると、こんな感じのメニューが表示されます。

New Folderをクリックすると、ピンエリアに「Untitled」のフォルダが作れます。ピン留めサイトの整理はもちろん、後述するノートやイーゼルも格納できる優れもの

スペース名はスペース作成時に決めますが、ココから変更できます。スペース名の頭にあるアイコンも変えられます。

このアイコンはサイドバー下部のスペース切り替えボタンとして表示されるものです(画像左の丸い枠)。たくさんスペースを作成するなら、スペースごとにわかりやすいアイコンにしておくといいかもしれません。

Themeはスペースのカラーリング設定です。スペースごとに色が違うと切り替えミスが防げそう。Profileはその名のとおり、プロファイル切り替えや新規作成です。

ショートカット
ショートカットたくさんあります

なお、Arcの各種操作にはショートカットが設定されています。キーの割り当ては変更できるので、使い慣れたChromeと同じ設定にするとか、いろいろやってみてください。

Arcのおもしろ機能に触れてみる

何度も言いますが、Arcって「ブラウザ」なんですけどね。

  • Note:マークダウン式のノート
  • Easel:フリーボード的なもの
  • キャプチャ撮影機能・ファイルアクセス
  • ダウンロードファイルアクセス

これが付属しています。ちょっと意味わからない。意味はわからんが、Noteにはお世話になりまくっていることをここで白状します。

Note

Note
Noteは殴り書きに便利

Noteは結構ガッツリしたノート機能で、マークダウン記法が使えます。サイドバー下にある「+」から「New Note」を選択して立ち上げましょう。

  • 見出し:1〜3の3階層
  • 文字装飾:太字・イタリック・下線
  • リンク
  • リスト:箇条書き・数字
  • 画像挿入

作成したNoteはピンエリアに格納されます。そのためスペースを変更すると編集できませんが、スペースを変えずプロファイルを切り替えるだけなら編集できます(このあたりは別記事で詳しく)。

補足

私はクライアントごとにスペースを分けて、それぞれに雑記用のNoteを作成して「とりあえずメモしたい」に対応しています。

具体的な操作方法はNotionに近いかなー。画像左上、オブジェクトの先頭にホバーすると現在のフォーマットがアイコンとして浮かびます。クリックすると縦長のフォーマットメニューが出現。

画像はドラッグ&ドロップで挿入可能。びっくりするほど直感的に操作できる点もNotionに近いですね。

ただしNotionでできてNoteでできないことがあります(当然ですね)。

  • ドラッグ操作でオブジェクトの順番を入れ替える
  • 挿入した画像をダウンロードする

Noteはブロック形式ではないので、ドラッグによるオブジェクトの入れ替えはできません。

またNotionではアップロードした画像を再度ローカルにダウンロードできますが、Noteではできませんでした。サブメニューの「サービス」を開くとそれっぽいものがあるんだけどなあ……。

でもでも、サブメニューの「Share」からAirDropで別端末に引っ張ったり、Macのメモに移したりはできるので、ひとまずそれで事足りるかなと思います。

なお、Note右下の共有ボタンからNoteの共有が可能ですが、相手がArcユーザーかどうかにかかわらず完全に「閲覧専用」リンクです。

Easel

イーゼル
フリーボード的なイーゼル

こちらはEasel(イーゼル)です。イーゼルって、画家がキャンバスを置いたり、カフェでメニューを置いたりする、脚が可動のアレです(うわ、語彙力)。

どうしてイーゼルって名前にしたのか謎なんですよね。機能としてはオンラインのホワイトボードで、Macのフリーボードによく似ています。

まずテキストの挿入やフリーハンド描画、カンタンな図形や矢印、画像も入れられます。フリーボードと同じくオブジェクトの重なり順の変更や、中央揃えのサジェストもしてくれました。

フリーボードよりも劣るなと感じたのは以下の2点。

  • テキストフォーマットの変更がわかりにくい
  • 文字サイズ変更が飛び級

文字装飾メニュー、っていうものはないようです。テキストを打ち込んだ時に左側に表示される「Aa」をクリックすると、字体や文字の太さが変わっていきます。何パターンあるのかよくわかりませんでした。

また「Aa」上下のプラス・マイナス記号で文字サイズが調整できるんですが、幼稚園生が中3に、中3が大学生に、みたいな驚くべき飛び級って感じの大雑把な変化に圧倒されます。見出しとして使えってことなんですかね。

テキストボックスの四隅にある「○」を掴んで動かせば、フォントサイズが無段階?調整できました。

Noteと同じく右下の共有ボタンから共有リンクが発行できます。相手がArcユーザーなら共同編集もできるんだとか。完全にホワイトボードっすね。

非Arcユーザーでも閲覧はできるので、ちょっとしたメモの共有に便利かもしれません。

なおMacのフリーボードはOS Venturaから実装されたアプリです。使用感について(株)工学社さまの「macOS Ventura」使いこなしガイドに寄稿していますので、興味があるかたはぜひぜひ。

キャプチャ撮影機能・ファイルアクセス

Media
ArcのMediaを開いてみる

Arc自体にキャプチャ撮影機能があり、撮影した画像は「Media」から確認できます。プレビュー表示があるのでわかりやすいですね。キャプチャ撮影はまだやっていないので割愛します。

Macのキャプチャ機能で撮影した画像もMediaに表示してくれます。つまり「Media」はMacのどこかしらのフォルダと紐付いているんです。

で、何が便利かって?

  • Finderを開かずして画像にアクセス、そのままMacのプレビューで開ける
  • MediaからドラッグでWordPressやNotionに挿入できる

もはや天才では?

Mediaに表示されている画像はどこの馬の骨名のかなーと調べてみました。

まず、MacBook AirのArcは9月にインストールしたんですが、キャプチャ保存用のフォルダ+ダウンロードフォルダ内にある「画像ファイル」のうちインストール時点以降に作成した画像、がMediaに表示されていました。

一方Mac miniのArcは8月にインストール。だけどMedia内の画像は10月後半以降に作成したものなんスよね。

まあ、キャプチャを撮ったら撮りっぱなしってことは少なくて、すぐ加工したりすぐ添付したりすることが多いので、Mediaはどちゃくそ便利だと思います。

ダウンロードファイルアクセス

Downloads
どこから落としたかも一目瞭然

「Downloads」も似たような感じですね。Arcで開いたWebページからDLしたファイルがココに表示され、サクッとアクセスできます。ただしダウンロードフォルダとは連動していません。Arcで落としたファイルはFinderを開かずともココからアクセスできますよー、ということ。

※当然ながらローカルのダウンロードフォルダにもファイルは格納されていますよ。

上の画像では厚労省のPDFをダウンロードしてみました。クリックするとミニビューでプレビューできます。またファイル名右の「…」からファイルを開くと、Macのプレビューで展開してくれました。

Adobeよりプレビューのほうが使い勝手がいいので、個人的にはひじょーにうれしい仕様です。

ChromeからArcに乗り換えを決意(8割)

スマホアプリとの同期もバッチリ

最後にArcの設定同期について少し。今のところ同期はiCloud経由オンリーのようです。

Arcの「Settings」から自分のアカウント設定を開くと「Sync Sidebar with iCloud」という項目があります。同期設定がONになっていればここに最終同期日時が表示されているはずです。同期していなければトグルボタンをONにして、Arcを立ち上げ直せば同期すると思います。

試しにスマホ版のArcと同期させたところうまくいきました。これでもろもろ整ったぞ!

実はArcをインストールしてすぐに「読み上げ(Macのスピーチ)」がうまく機能しなかったので、ArcはAppSheetのアプリ専用ブラウザとして使い、メインユースには至っていませんでした。

ですが、この度読み上げに再チャレンジしたところ、通常のWebサイトやWordPressのテキストエディタ、しっかり読み上げるではないですか!OTOYAが読み上げた!

※Googleドキュメントはダメっすね。スクリーンリーダーを有効にしてもダメでした。

ネックだった読み上げがクリアできたので、プロファイルやスペースの割り当てをじっくり考えて、本格的に脱Chromeの道を探ってみようと思います!

以下の記事ではマルチログインやスペース・プロファイルの関係性などを検証しています。

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 WEBコンサル・マーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトの運営を指揮。DigitalCameraWorldの認定フォトグラファー。 現在は2社5メディアの進行管理をしながら文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。