本日のテーマは「自分マーケティング」!
自分マーケティングって知っていますか? 知りませんよね、だって私が勝手に作った言葉ですもん。
「自分会議」という言葉は知られていますが、そこまで精神性を重視していないというか、比較的ライトな内省行動です。
私(@saosaoyamayama)がフリーランスとしてある程度の生活ができているのは、おそらく自分マーケティングのおかげ。
ということで今回は「自分マーケティングのススメ」と題し、自分のWANTの重要性を語っていきますよ!
Contents
自分マーケティングとはなんぞや
そもそも、マーケティングってなんぞや。
マーケティング(英: marketing)は、価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組みである。すなわち「顧客・クライアント・パートナー・社会にとって価値あるものを、創り伝え届け交換するための、様々な活動・プロセス・組織」がマーケティングと呼ばれる。
——引用元:https://wikipedia.org/wiki/マーケティング
誰かに価値を提供するための活動ってことですね。
例えば40代の主婦をターゲットにした洗剤のマーケティングだったら。40代の主婦はどういう洗剤を好むのか、何を重視するのか、みたいなことを考えて40代の主婦にとって価値ある洗剤を提供する。
この一連のプロセスがマーケティングと呼ばれています。じゃあ自分マーケティングとは?
CASE1:息子の靴下が臭い
どんなに念入りに洗濯しても、高校1年生の息子の靴下が臭い。
- 思春期ど真ん中の息子の靴下が臭すぎて困ったなあ
- 洗濯しても臭いが取れないぞ困ったなあ
- ハック○ラッグにもマツ○ヨにも良い洗剤がないわ困ったなあ
母親の立場でできることは、洗濯で臭いを消すこと。
「あと3年我慢すれば臭いも落ち着くだろう」「あと3年経てば一人暮らしするでしょ」という甘っちょろいクサさではなく、耐えられないクサさだったら「洗剤欲しいなあ」と考えるわけです。
CASE2:トイレが詰まった
SEO施策の解説にありがちな状況ですね。
- 吸引カップを使っても詰まりが解消せず困ったなあ
- Googleで検索して業者を呼ぼう
- 「ゴボッ」という音とともに無事詰まり解消
吸引カップの使い方が間違っていたかもしれないし、他にも自力で直す方法があったかもしれない。
トイレの修理業者になろう! とまではいかずとも、自分で詰まりを直す方法が知りたいなあ、道具を買っておきたいなあと考えるわけです。
「また業者に頼めばいいか」という経済的余裕があるかたは別として。
ProblemとWantを徹底ヒアリングすること
- Problem:息子の靴下が臭くて困った
- Want:消臭効果が高い洗剤が欲しい
- Problem:トイレが詰まって困った
- Want:自分で直せるようにしたい
2つのケースには共通してProblemとWantがあります。
ProblemとWantをもれなく拾い、解決に向けて行動することにより、ユーザー(自分)に対して「価値」を提供する。
これを「自分マーケティング」と(勝手に)定義しています。
まずは自分の「Want」に気付くこと
前回のエントリーで、フリーランスとして月収2万円→40万円稼ぐまでの推移をお伝えしました。
このなかで「誰かに教えてもらったわけではないけれどスキルを身に付けた」と書きました。これは自分マーケティングの成果です。
自分マーケティングのなかでも特にWantに敏感になると、フリーランスとして成長できると思っています。
CASE3:スプレッドシートの関数が難しい
音楽メディアの編集長に抜擢されて、膨大なスプレッドシートを渡され、月が変わったらシートを修正してねと言われました。月初、実際に動かしてみたら。
あああああああああ!!!!!!!!!!!!!
私の指示には従えないってか? なに? どうした? ボイコットか? というぐらい関数が難しい。数字が合わないしエラーが頻発。四則演算では太刀打ちできませんでした。
これは自分マーケティングの「Problem」にあたります。結局、当時のPMにSOSを出して修正してもらいました。
でもやっぱり一部にエラーが出てしまう。
稼働が不規則なPMにもう一度声を掛けるものなぁ……と思うと、自分でどうにかするほかありません。
埋もれがちなWantに気付く感度を持つ
優しい先輩、優しい上司に恵まれているかたは「困ったことがあれば何でも言ってね」と言われているんでしょうね。
でもフリーランスって基本的にソロ活です。もちろんクライアントはフォローしてくれますが、おんぶに抱っこというわけにはいきません。
関数で困ったとき、自分の無力さを嘆き、そしてこう思ったのです。
こう思っている自分に気付いた、つまり自分の「Want」に気付きました。
実はWantって、意識しないと輪郭がぼやけたままんです。「どうにかしないとなぁ……」「また迷惑掛けちゃった……」で止まってしまうと形を持たないまま消化され、消えていきます。
またProblemの解決に対する協力者が多ければ多いほど、Wantが意識に浮上しません。そもそもWantが発生しないかもしれませんね。誰かが手伝ってくれるだろう、と思ってしまうので。
まずはWantを見逃さないでください。そしてWantをとらえても、まだマーケティングは終わりません。
「Want」を叶える方法を考えて実行する
ちょっとWantの中身を変えてみましょう。
HTMLやCSSが扱えるようになりたい、というWantを叶えるには、HTMLやCSSを知る・覚える・使う必要があります。
知る・覚える・使う方法をいくつか挙げてみましょう。
- プログラミングスクールに申し込んで受講する
- プログラミングの無料講座を受講する
- 本を買ってきて勉強する
パッと浮かんだのはこの辺りです。
ちなみに私は、プログラミングスクール以外はちょっと手を付けたことがあります。でもすぐにやめました。
ProblemとWantは地続きです。私の場合、Wantを叶えるにはどうしてもProblemが必要でした。
CASE4:Pythonのお勉強がツライ
GASを使ったスクレイピング(Webサイトのなかにどんな要素が入っているか調べること)がうまくいかなくて、Pythonが使えるようになりたいな……と思ったことがありました。
オンラインのお勉強サイトで基礎からお勉強をスタートしたんですが、いやー、続かない。
「入力した文字が数字なのか文字なのか判定させて、数字なら『数字です』と出力させましょう」
とかね。きちんと体系立ててお勉強できるシステムが整っているサイトでしたが、続かない。
なぜなら、私は入力した文字の判定ができなくて困っているわけではないし、それを使って自分にどんな価値が与えられるのか分からなかったからです。
しっかり継続すればスクレイピングのプログラムも書けるんだと思います。それは私が求めていた価値です。でも、時間かかるじゃないですか……。
「価値」の可視化とオーダーメイド
自分が起こした行動によってもたらされる「価値」がはっきりと見える環境を作りましょう。
- CSSコーディング:サイトを作ってみる。
- スプレッドシートの関数:仕事で使うガントチャートを作ってみる。
「このデータがわかりにくい」というProblemと「こんなシートが欲しい」というWantを探して新しいシートを作ってみるのもアリ。
その結果できあがるのは「価値あるもの」ですよね。
自分の理想を叶える手法を調べて、トライ&エラーを繰り返し、理想を具現化して「価値」を形にする。
この行動だけですべてのスキルが網羅されるわけではないので、知らない関数がまだまだたくさんありますし、CSSだって一部しか分かりません。
でもこれを繰り返していくと網羅に近付き、自分の仕事・自分の暮らしに必要なスキル・知識は確実に身に付いていきます。
「絶対使わないよなコレ」みたいなものは省いて、必要なモノだけを身に付けて、深めていくことができるんです。
ある意味「オーダーメイド」の価値を自分に提供することになりますね。
自分マーケティングのメリットって、おそらくここなんだと思います。
必要なスキルが必要なレベルで、必要なボリュームで手に入るんですよ。
ProblemからWantが生まれ、それを叶えるために行動を起こし、オーダーメイドの「価値」を手に入れる。
この一連の流れが自分マーケティングの本質です。
フリーランスは「教育」されない
フリーランスは一般的に「プロ人材」という認識なので教育されることはありません。
知りたい・覚えたいと思ったら、自分で行動しないといけません。
スプレッドシートの関数がある程度使えるようになり、シートのお困りごとの相談が増え始めたときにクライアントに言われました。
「スプレッドシートの関数はあくまで効率化ツールなので、使えない人は使わなくていい。手計算でいい。だからあなたは誰かにそれを教えることに時間を割かなくていい」
確かにな、と思いました。
スプシの関数なんて調べればいくらでも分かるわけで、修正程度だったら誰でもでできるでしょ、と今は思っています。
シートを1から作成できなくても、関数を修正していくなかでいろいろな関数を目にするようになり、数式の意味が分かって、それを使ってどんなことができるのか分かってきます。
後任のフリーランスPMさんがまさにこのタイプで、関数の修正は困らないレベルに成長しました。
とにかく手を動かして、分からなければ調べて、それをどこかで応用してみる。
誰かに教えてもらわなくても、お勉強するぞ! と腕まくりしなくてもスキルって身に付いていくんです。
筋トレではなく競技で鍛える
1つでも多くの案件をこなさないといけない単価フリーランスが「勉強の時間」を割くのは至難の業ですよね。
仕事は競技、スキル磨きは筋トレです。ストイックに筋トレができる人って尊敬します。私はバレーボールをやっていましたが、筋トレ大嫌いでした。
時間がないフリーランスは、筋トレの時間なんて取れないかもしれません。だったら筋トレなんてやらなきゃいい。
競技をやっていくなかで必要な筋力がついていきます。バレーボールなら太ももの前側がモリっとしてきます。
スクワット100回ではなくて、スパイク100本。お勉強ではなくてOJT(On the Job Training)。
OJTなんて古くさいという声もありますが、効率的な学びを考えるうえでは大切だと思っています。
フリーランスとして教えられることなくスキルを身に付けた本人が言っているので、多分間違いない。