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フィルムカメラ熱に火がついた、簡単に言えばそういうことです。110フィルムの現像をどこに頼もうか探している中で、やはり長い間廃れずに流通していてどこでも現像ができる35mmフィルムっていいなあと、単純にそう感じました。もちろん、本当に手軽に持ち出せてレンズまで交換できるauto110はこれからも使っていきますが、いざフィルムが切れた!というときにどこででも手に入る35mmフィルムのカメラが欲しいなと思ったわけです。

ちょうど、KPのキャッシュバックキャンペーンで5,000円戻ってくる予定だったので、予算5,000円で遊べないだろうかと調べることにしました。

完動品を安く手に入れるのは難しい

ES(1971年発売)

フィルムカメラといえど、PENTAXの場合はKマウントのレンズが使えるものがあります。それなら本体を買うだけなので出費を抑えられる。当初はKマウントのフィルムカメラPENTAX MEを狙っていました。横浜の「カメラはスズキ」さんに中古機が置いてありまして、まあ予算オーバーだったので買えませんでしたが、実物もものすごくかっこよかった!

程度は悪くなるけれど、低予算ならオークションです。MEを含めて色々と見て回っているときに目を奪われたのが、PENTAX ESの黒でした。黒いクラシックなボディで、ところどころに鮮やかなオレンジ色が使われていて、かっこいいんだけど洒落てる。

そしてES以前の機種ではできなかった開放測光が可能になっています。絞り込み測光も面白そうだけど、ハンドリングがうまく行かなかった時行き詰まりたくないなと思ったんですね。ということで、開放も絞込も可能なESに目をつけました。

レンズつきを探したのですが、びっくりするほどジャンク品が多い!レンズ付だけどミラーアップしたままですとか、シャッター速度変わりませんとか、シャッター切れませんとか。修理できるテクニックや知識、予算があればいいのですが残念ながらない。

もちろんボディのみで探しても、50年近く前のカメラですからあちこち故障しているものが多く出品されています。

特に露出計が動かないものが多いようでしたが、露出は外部の露出計(アプリとかね)でも事足りるかもしれないし、目で感じて撮っていく面白さもある。ですので露出計以外のシャッターやスピード、巻き上げ、最低限写真を撮るのに必要な部分だけは完動である個体をレンズナシで探すことにしました。

レンズは手堅く55mm

super takumar 1:1.8/55

開放測光に対応したsmcスーパータクマーを探していたのですが、露出計が使えない可能性が高いし……ということで、2,300円でスーパータクマー55mmを落札。ボディより一足先に届いたんですが、驚くほど重たい!ズシッとしていますね。凄く寒い日に届いたのですが、レンズがヒエッヒエでびっくりしました。

何はともあれ、もう見た目からしてかっこいい……。どうやらこの型はアトムレンズと呼ばれていて、後玉に放射性物質を含んでいるようです。抱きしめて眠ったりしなければ大丈夫とのこと。

PENTAX ES完動品を手に入れる

完動品、と書かれていましたが露出計には触れていなかったので期待せず。その他はおおよそ完動状態のPENTAX ESを2,500円で落札。予算5,000円に収まりました。すぐに電池(4SR44もしくは4LR44)を購入して入れてみましたが、やはり露出計の針は動きませんでした。

シャッタースピードに関しては……変動してるのかな?微妙な感じですが、数値によって差はあるように思います。

検証記事は以下でーす。

PENTAX ES 全体像

正式名称はASAHI PENTAX ELECTRO SPOTMATIC

1971年に発売されたそうです。私が生まれていない頃ですね。重厚そうに見えて、実際重厚で、頑固さのようなものを感じるカメラですね。角ばっていてとにかくかっこいい。

電池ボックス


スクリューの蓋を開ける

とても探しました。こんなところに電池ボックス発見。SR44(LR44)を4つつなぎ合わせたような電池を入れます。プラスマイナスを間違わないように、絵がついています。

フィルム入れ

ブラックボックス

まだ入れていません(買っていません)。中古品ですがそんなに汚くはなっていなくて、大掃除の必要はありませんでした。

向かって左肩

巻き上げは手応え抜群の重さ

左から巻き上げレバーとカウンター、シャッターボタン、シャッタースピードダイヤルです。巻き上げは良好で、カウンターもしっかり連動します。残念ながら露出計がダメだったので、シャッタースピードはバルブ、60〜1000を切り替えて使うことになります。

向かって右肩

調べなければ知らなかった機能

大きなダイヤルの向こうにある小さなスイッチ、これは電池確認のためのスイッチです。ファインダーを見ながらこれを押すと、露出計の針が反応するはずなのですが、びくともしませんでした。

調べなければ分からなかった使い方

手前の大きなダイヤル、こちらはフィルム巻き戻しレバーと露光補整、フィルム情報記録とASA(ISO)表示になります。

横一文字の部分を持ってフィルムを巻き戻します。また、上に持ち上げればフィルム入れの扉が開きます。それすら知らなかったので、フィルム入れが開けられずにしばらく悩みました。

露光補正は×1/2〜×4の4段。そしてEMPや電球、太陽、なぞのマークですが、こちらは撮影に影響するものではありません。フィルムが入っているかどうか、昼光用か室内用か、モノクロフィルムかの覚書です。

ASA(ISO)はオート露出前提で設定必須ですね。フィルムのISOにダイヤルを合わせます。これもまた、どうやったらダイヤルが回るのか分からなかったんですよ。あちこち触ってやっと解明。大きなダイヤルを上に持ち上げながら回すと、ISOが変わります。20〜1600まで変更可能。

まずはフィルムを買うところから

フィルムカメラですからね。フィルムがないと始まりません。今回は完全マニュアル設定で絞り込みが必要?イマイチこの辺りが分かっていないのですが、レンズのピントリングより手前のリングを回すと絞りが動くことがわかりましたので、まずはとにかく撮ってみたいと思います。

110ではほとんど選択肢がないフィルムですが、35mmなら種類も豊富。それゆえにどれを選んだらいいのかわからないので、まず一発目は「カメラはスズキ」さんのフィルムガチャで出たフィルムを使ってみようかなぁなんて、とても行き当たりばったりなことを考えています。

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 WEBコンサル・マーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトの運営を指揮。DigitalCameraWorldの認定フォトグラファー。 現在は2社5メディアの進行管理をしながら文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。