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Mac純正メモとショートカット、そしてカレンダーアプリを使い倒すことに決めた私(@saosaoyamayama)です。

ショートカットアプリは日々の「めんどくせえ」を解消する役回りなので、いつだって褒められるポジションにいます。

しかしメモアプリは当たり前にそこにあり、私の不満を処理する動的な能力を持っていません。不憫だ、不憫すぎる……。

少なくとも「使いやすいアプリ」であってほしい。たくましく育ってほしい。

そこで今回は「ProNotes」アプリのご紹介です。……文脈がおかしいんですが、このアプリによって純正メモが格段に使いやすくなります。

純正メモを持て余している方、Notionの大躍進に複雑な思いを抱いている方、この機会にMacの純正メモをはじめとした純正アプリを使い倒してみませんか?

※本記事はPRを含みます。

Mac純正メモの不満を解消するProNotes

以前の純正メモは、ファイルを意識せずに使えるだけのメモ帳でした。現在のメモはかなり進化したんだなぁと感じます。

とはいえ、今や総合メモアプリが群雄割拠の時代。Macメモアプリは「テキストを打ち込む」という一歩目を踏み出した時点で他アプリに大差を付けられて「使いやすさ予選落ち」です。

しかしProNotesとタッグを組むことで、ひとまずレースを続行できるようになります。

スラッシュコマンドが使えるからです!

はぁぁぁ、なんて甘美な響き……。

ProNotesのインストール

ProNotes

ProNotesのページでメールアドレスを入力・送信すると、ZIP形式でアプリがダウンロードできます。

ProNotesアプリ

ZIPなので、解凍してもインストーラーが立ち上がらず、アプリはダウンロードフォルダに入ります。

ご自身でアプリケーションフォルダに移動させましょう。

私の環境では、Macのメモを立ち上げたら既にProNotesの機能が適用されていました。

設定必須は2点のみ

以下2点の設定が必須でした。

  • アクセシビリティ
  • ProNotesの言語設定

アプリを立ち上げるとアクセシビリティ設定が求められるので、ProNotesのトグルをオンにしましょう。

ProNotesのアラート

早速ProNotesの機能を使おうとしたところ、このようなアラートが出現。

ProNotesのデフォルト言語は英語なので、日本語に切り替える必要があります。「Open Settings」をクリックしましょう。

ProNotesの設定

中ほどにある「Language Settings」を日本語に切り替えれば準備OKです。

なおGeneralは一応チェックを入れておきました。ログイン時に起動しますか? ってやつですね。

それと今回は関係ありませんが、下段にあるSearchが気になりました。今後さらに使いやすくなるのかな……恐ろしい。

ProNotesのスラッシュコマンドでできること

ProNotesのスラッシュコマンド
メモアプリに合わせて黄色

さてさて、Notionユーザーは当たり前のように使っているであろうスラッシュコマンド。プログラマーの活用率がめちゃくちゃ高い(ように感じる)マークダウン記法。

ProNotesをインストールすると、Macのメモでスラッシュコマンド(マークダウンも)が使えるようになります!

スラッシュコマンド

「/」に続けて指定文字列を入力することで書式・機能が適用できる。あるいは「/」を入力するとメニューが表示される。

Notionライクな使い方ができるってことですね〜。では実際にどの辺が指定できるのか、紹介しておきます。

ベーシックな書式は網羅

よく使う書式
よく使う書式

よく使う書式はほぼ網羅しています。

画像内のコマンドは一例で、たとえばh2の正式コマンドは「Heading」だし、h3は「Subheading」です。でも、それっぽいコマンドを打てばこちらの意図を汲んで、書式を提案してくれます。

私がよく使うのが「/Monostyled」=等幅書式のコードブロックです。Notionでは「/code」で呼び出すんですが、メモアプリでも同じく「/code」で呼び出せます。

リストは4種類

リスト書式

こちらはリストです。ほぼほぼNotionと同じですね〜。

リスト上で改行すると、次の行も自動的にリスト書式が適用されます。

次の行はリストにしたくない! って時はBackSpaceを押しましょう。行頭の印が消えて「本文」にリセットできます。

なおリストの項目内で改行する場合はShift+Enterです。

テーブルもスラッシュから呼び出し

テーブル書式

こちらはテーブル=表です。「/Table」で呼び出せます。

表の中ではスラッシュコマンドが使えませんでした。

なお、スラッシュコマンドで表を呼び出すと呼び出した行に「/」が残るので、後で削除しましょう。

リンクはダイアログ形式

リンク

スラッシュコマンドでリンクを呼び出すと、このようなダイアログが出現します。

「リンク先」にURLを、「名前」にリンクを貼りたいテキストを入力すればOKです。

リンクもテーブルと同じく「/」が残ってしまいました。

なお、予め打ち込んであるテキストにスラッシュコマンドからリンクを適用する、っていうのは難しいので、テキストにリンクを貼りたい時は手動でやるか、ダイアログの「名前」をうまく使いましょう。

その他設定

テキスト寄せ

左右中央の文字揃えと、均等割付が可能です。均等割付はうまく適用できず……。

それと「今日」の日付もスラッシュコマンドで入力できるようになりました。ただ、日本では一般的でないフォーマットなので、難しいですね。

このあたりは普通に「今日」と打ち込んで変換するほうが早い。

ProNotesのスラッシュコマンド以外の機能

メモアプリ
ProNotesのメモ画面

ProNotesインストール後のメモを開くと(上図)、右下にメニューが表示されていました。

  • Copy Markdown
  • Copy DeepLink
  • Backlinks
  • Ask AI

これらのメニューを使う場合、メモアプリのデータベースとProNotesを紐付ける必要があるようです。おそらく現在ベータ版になっている「Search」機能も、データベースを紐付けてから使うのでしょう。

それと、ProNotesの有料版を契約すればAIが使えるっぽいですね。

スラッシュコマンドなしでも書式設定がラクに

スラッシュコマンドの話ばかりになりましたが、スラッシュコマンドを使わなくても純正メモよりはるかに書式設定しやすくなりました。

ミニ書式バー

テキスト入力〜確定までの間、こんなふうにミニ書式バーが表示されます。

ミニ書式バー

同じく、テキストを選択するとミニ書式バーが出現。

今まではアプリ上部のツールバーまでマウスポインタを移動させる必要があったので、一生懸命ショートカットを覚えました……。ミニ書式バー、便利っすね。

できないこと・使いにくいこと

画像の1行目は「強調表示」です。残念ながらミニ書式バーからは適用できませんでした。

また、マークダウン記法には「#」を使いますが、#の後ろにうっかりスペースを入れ忘れると、キリのいいところまでが「ハッシュタグ化」されてしまうのでご注意ください。

なお、ショートカットアプリではハッシュタグが使えます。さまざまなカテゴリを含んでいてフォルダ分けしにくいメモは、ハッシュタグを付けて効率良く分類しましょう。

Macメモアプリの使いにくい点(解消されない)

Notion一辺倒だったところからMacのメモに戻ってきて、最初に「うわ……」と思った点をお伝えしておきます。

リストのコピペ

たとえばチェックリストのテキストを「本文として」コピペしたい時。まずは○を避けて「リンクですよ」を選択してコピペしますよね。

そうすると2段目、○まで引き継いでしまいます……。

文頭の1文字に書式が適用されているようですね。「ですよ」や「ンクですよ」なら問題なくコピペできます。

それとメモアプリでは「値貼り(スタイルを外してペースト)」が効きません

書式を設定していない行にカーソルを置いて「ペーストしてスタイルを合わせる」で貼り付ければ書式が外せます(確かShift+Command+Vで貼り付けても何も起きなかったはず……)。

ちなみに、現在Clipyというクリップボードアプリを使っており、「プレーンテキスト」で貼り付けるように設定しています。

「リンクですよ」をコピーしてプレーンテキストとして貼り付けると、チェックリストを示す「-[]」が付くんですよね……。

これの何がムカつくって?

リスト内のURLの取得

たとえば、チェックリストにURLがテキストとして入力されている場合。

URLを選択してコピー、ブラウザに貼り付ける。

貼り付けると書式がテキスト化される

あ”!?

「-[]」がくっついてくる……。

なぜか一時期この操作が頻発してイライラしていたんですよね。

高機能なメモアプリほど「書式解除」の問題が付いて回ると思います。このあたりは仕方ないですね。

ProNotesでメモアプリがNotionに近付いた

以前別のポストで書きましたが、現在のメモアプリは大見出し・小見出しがトグルで格納できるようになっています。これができなければ、多分Notionを使い続けていましたね。

また、メモ内の画像の大きさを変えられたり、PDFを埋め込めたり、かなり改良されました。

そして「手書き」ができるのがメモアプリの優位性です。Notionでも別アプリを埋め込めば可能ですが、確か有料だったはず。

ブロック化するとメモが重くなりそうなので、ブロック化せずにNotionと差別化が図れるような機能が追加されるといいなと思っています。

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 デジタルマーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトのコンテンツ制作を並行指揮した経験を持つ。 現在は企業の人材育成コンサルやメディア進行管理をしながら、グラフィックデザイン・文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。 DigitalCameraWorld認定フォトグラファー、臨床検査技師。