Mac純正メモのメモ数がちゃくちゃくと増えていく私(@saosaoyamayama)です。
何でしょうね、メモアプリを立ち上げて入力する行為に対して、1mmも「めんどくさい」と感じないことに驚いています。Notionのほうが少し面倒だったかな。
ということで、純正メモアプリ出戻り勢の私のメモに、少しずつ「殴り書きメモ以外の情報」が増えております。
今回の記事で紹介するのは、現在のメモアプリの活用状況と、使う中で困っていること・回避策などです。おそらく「それはこまる」「めんどくさ」と感じる人が多いと思いますので……。
それと、出戻り組だからこそ感じるメモアプリの良さと、メモアプリが適していない人についても触れますので、本格的にメモアプリに移行する前に、一度立ち止まって読んでもらえると嬉しいです。
※本記事はPRを含みます。また生成AIによる画像を使用しています。
Contents
Macメモアプリの使い道

メモアプリは、基本はただのメモです。見た目を少しだけリッチにできるだけで、外部アプリの埋め込み表示も2列レイアウトもできません。それでも仕事や各種作業で便利に使っています。主な用途は以下のとおり。
- 作業管理・タスク管理
- 記事下書き
- 自分Wiki
- 重要書類保管 などなど
以前までNotionでやっていたことのうち、データベースや埋め込みに関係しない部分をメモアプリに移行した形です。テキストが管理できれば十分なので、機能面の不満は特にありません。
フリーランス2〜3年目ぐらいまでメモアプリ、その後Notionに移行してからメモアプリに戻ってきたわけですが、機能が増えて使いやすくなったなぁと感じています。Notionを経由したからこそ気付いたメモアプリの良さも見えてきました。
一方で、使いにくいな、スマートじゃないな……と感じることもあるわけです。特に、書式の外しにくさは気になりますね。Notionでも多少感じていましたが、メモアプリのほうがタチ悪いです……。
今後メモアプリをフル活用してみようかな〜と考えている方が「こんなはずじゃなかった!」と頭を抱えずに済むよう、まずは使いにくい部分をご紹介。その後で「こんなに素敵なんですよ」をアピールしようと思います。
メモアプリの使いにくい点

「どうしてこうなった」と頭を抱えるポイントがいくつかあります。
- サイドバー表示の自由度が低い
- 等幅大量テキストのスクロールがもたつく
- メモアプリ内コピペで書式が除去できない
- 書式なしペーストが4キー押し
- アプリ外コピペで余計なテキストが付く
アプリの使い勝手向上のためにProNotesをインストールしましたが、上に挙げた問題により、一番の目的だったスラッシュコマンドが使えなくなりました……。
サイドバー表示の自由度が低い

メモアプリは、メモ本体の左側にサイドバーが2つあります。
- フォルダ一覧
- メモ一覧
仕事中、メモアプリの指定席はサブディスプレイ化したiPadです。iPadは表示領域が狭いので、左上のボタンを押してフォルダ一覧を非表示にしています。本当はサイドバーをまるっと非表示にしたいんですが、それができません。

できるのはフォルダ一覧の非表示のみです(図左)。
サイドバー非表示の代替案として、メモ単体を別ウインドウで開くことはできます。ただしフォルダ一覧にアクセスしにくいので私はあまり使いません。
個々で優先度は変わるでしょうけれど、私は他のメモ(検索で探せる)よりも他のフォルダ(検索できない)に素早くアクセスしたい派です。そのため、メモ一覧を非表示にしたいんですが、それも叶いません。
メモ一覧の表示幅を狭くすりゃいいか! と思ってやってみたところ、メモ一覧は一定幅以下にできず、代わりにフォルダ一覧が狭くなる仕様です……。

ちなみに、メモアプリに限らずMacのアプリの「設定」は総じて設定できる項目が少ない!
サイドバー以外の設定も、自由度はあまり高くないよってことはぜひ覚えておいてください。
等幅大量テキストのスクロールがもたつく
HTMLタグやスクリプトなど「コード」の保存・管理にメモアプリを使っています。
コードは下手にコピペすると記号類が勝手に書き換わるリスクがあるので、Notionでは「コードブロック」が用意されています。メモアプリでコードブロックに相当するのが「等幅」スタイルです。

扱うテキスト量が多くて見にくくなるので、それぞれに小見出しを付けて、トグル内に折りたたんで管理しています。キャプチャの左端にある「>」は折りたたんだ状態です。
トグルを開いた状態でスクロールすると、めちゃくちゃ引っかかります! これがかなりストレス!(文字数が少なければ問題ナシ)
文字数が多くても「本文」ならスムーズにスクロールできました。なので等幅指定+文字数が多い箇所だけ、動きが悪くなるんでしょうかね。今のところ、こういう認識です。
メモアプリ内コピペで書式が除去できない

メモアプリ内のテキストをメモアプリ内にコピペする時のお話です。
画像の上段、リスト1項目のテキストを選択してコピーした後、メモ内にCommand+Vで貼り付けると、リストの書式がくっついてきます。
各種の書式を外して貼り付け時はShift+Command+Vを使いますよね。私の周りでは「値貼り」と呼ばれています。メモアプリでは値貼りのショートカットが反応しなかったんです。ただの屍のごとく、無反応。
また、現在「Clipy」という超絶便利なスニペットアプリを使っていて、これを使うと値貼りできます。じゃあClipyで貼り付ければいいか……、と、思うじゃん?
余計なテキストがくっついてきます。画像の下段です。
じゃあメモアプリで値貼りするにはどうしたらいいのだろうか。実は、メモアプリの値貼りショートカットが、ちょっと特殊でした……。
書式なしペーストが4キー押し
Shift+Command+Vに反応してくれないメモアプリ。しかし「ペーストしてスタイルを合わせる」という値貼りに相当する機能は有しています。
スタイルを合わせるっつーのは、たとえばリストをコピーして本文に貼り付けた時、貼り付け先の本文スタイルが適用されるんですね。スタイルを解除するのではなく、貼り付け先のスタイルに合わせる。郷に入っては郷に従うわけです。
それが次の画像の上段。

「ペーストしてスタイルを合わせる」のショートカットは「Shift+Option+Command+V」が割り当てられていました。
……あ”??? どーしてそうなった???
人間工学に基づいてキーを考え直さんか? キーボードの左下3つとVの同時押し? 咄嗟に押せないよ、この4つ!!! まったく酷いことをしやがるぜ、Appleさんよぉ……。
普通に貼り付けてから、Shift+Command+Bで本文形式に変更するほうがラクかもしれない、と今は思っています。
アプリ外コピペで余計なテキストが付く
Clipyでリストアイテムをコピペしたら、「*」がくっ付いてきました。あれと同じことが、メモ→別アプリへのコピペで発生します。

リスト・チェックリストに入力してあるURLをコピーして、MacのSpotlightに貼り付けてみたところ、リストは「*」が、チェックリストは「-[]」が頭に付いてしまいました。実行済みのチェックリストなら「=[x]」です。
これを回避するには、サブメニューから「リンクをコピー」するか、リンクアイコンから編集画面を呼び出してURLをコピーするか、ですね。
書式が外れない問題によりスラッシュコマンド断念
仕事の報告書をメモアプリで作った後、チャットワークに貼り付けて送信します。この際、リスト書式を含んだままコピペすると要らない記号が付いてくるので、報告書周りには「書式」を使いません。
報告書を見やすくするためにリストは必須ですが、「・(なかぐろ)」や数字を使ってリスト化すればいいので問題なし。これで平和に暮らしましたとさ、おしまいおしまい。
じゃねーんだわ。なかぐろ、許さん。
ProNotesのスラッシュコマンドが使えなくなった
以前別の記事で紹介した「ProNotes」。これを起動しておくと、メモアプリでスラッシュコマンドが使えます。
半角スラッシュ「/」を入力するだけでメニューが呼び出せるのがスラッシュコマンド。Notionで便利に使っていました。これがメモアプリでも使えるなんて! と大喜びだったんですけどね〜。
現在はスラッシュコマンドを「オフ」にして、マークダウンを使っているんですね。なぜなのか。

スラッシュコマンドONの状態で「・」を打ち込むと、なぜか書式メニューが開きます(画像左)。ナカグロコマンドじゃん……なんか、ちょっと強そうじゃん……。テコンドーとかコマンドーとかそういう……(脳内で暴れるマサルさん)。
メニューが開いたからとて、シカトすれば穏便に済むのではないか。ええ、そう思っていた時期が私にもありました。しかし、メニューをシカトするとデフォルトで指定されている(黄色)書式が適用されてしまうんです……。
メニューをシカトして「・」単体で確定すると、なぜかなかぐろが消失し、書式は本文のままでした。次の行も同じくなかぐろを打ち込みましたが、やはりなかぐろ消失。それだけでなく、タイトル書式が適用されています。なかぐろ単体で確定できない!
一応回避する方法が2つあります。1つ目は「・」を押したら確定せず「Delete」を押して(メニューが閉じる)確定。2つ目は、「・」単体で確定せず必ず後続のテキストもセットで入力する。
なかぐろを入力したいだけなのに、なぜこんなにややこしいことになるのじゃ……。
等幅ブロックを無視する強さ
実はNotionでも「・」がリストに変換されるので、報告書を書く時は必ずコードブロックを使っていました。コードブロック内で「・」を打ち込んでもリスト化されません。
じゃあメモアプリは等幅書式内で「・」を使えばいいのでは? と考えました。誰でもそう考えるでしょうよ……。

画像上段は、等幅の2行目になかぐろを打ち込み、確定しました。すると、ここでもなかぐろが消失……。それどころか、2行目の等幅スタイルが解除され、背景が白に戻ったんです。
そのままテキストを入力すると、タイトル書式が適用されていました。うわー、何なのコレ。
画像下段は、3行分の等幅エリアの2行目になかぐろを打ちみました。当然なかぐろは消失し、2行目の背景は白。等幅エリアが分割されてしまいました。もちろん2行目の書式はタイトルですね。
そこまでして何を守りたいの? 何を恐れているの?
てなわけで、ProNotesでスラッシュコマンドを有効にしたまま「・」を使うと、何もかもうまくいかなくてイライラします。BLEACH藍染に対する雛森の一途さを見ている時と同じぐらいイライラします。
仕事でもプライベートでも「・」って結構使うので、いちいち手が止まるのは避けたい。そのため現在はスラッシュコマンドを解除、マークダウンを有効にして「・」がスムーズに入力できるようにしています。
メモアプリの良いところ・注意点

Notionはいろいろな人に「便利だよ」「楽しいよ」とおすすめできるアプリですが、Macのメモに関しては少しためらいます。
メモ→Notion→メモという変遷を経て、今感じるメモアプリの良さと、今後メモアプリを使ってみようかな〜と検討中の人に、少し注意点をお伝えしておこうと思います。
メモアプリの良き点
- 階層が浅い
- 見た目がシンプル
- 計算できてしかも代入できる
- 今後オーディオ録音からの文字起こしができるとかいうウワサ
Notionはページの中に別のページへのリンクを貼って、階層をどんどん深くできます。実は……整理が下手な私にとって、階層の深化は混乱の元だなと感じた次第です。「確かに作ったはずのページを、どのページに置いたか思い出せない」が頻繁に発生していたんですよね……。
メモの階層はシンプルで、フォルダ→メモのみです。とてもわかりやすい。ページ間リンクが貼れるようになりましたが、ページのつながりが可視化しにくいので私はほとんど使わなくなりました。おかげで迷子になることはありません。
それと、見た目のシンプルさはメモアプリの良さで、人によってはこれが欠点になるんでしょう。Notionを使い始めた時はあちこちのデザインに時間をかけていましたが、今はその熱が冷めてしまったのかもしれません。
2024年ごろ追加された計算は結構便利ですね〜! 今まではSpotlightの検索バーで計算していましたが、時々電卓が立ち上がっちゃうことがあるのと、メモなら計算結果が残る点が便利。

数式に記号を入れて、数字を代入して使えるのもツヨツヨだと思います。
画像は手帳カバーのコストを試算した時の一部キャプチャです。本来の使い方ではないんですが、xやyに別の商品の価格を入れれば、1冊あたりのコスト試算が簡単。
計算式を表(テーブル)に入れたりはできません。ここに「メモ」味を感じますね〜。
今後はメモアプリで録音→文字起こしまでシームレスにできるようになるそうです。現在のところ、メモアプリ単体で録音はできます。文字起こしは英語圏の一部で利用可能です。
精度が高い文字起こしアプリは有料だったり、文字数が限られたりするので、メモアプリの精度に期待……。
参考:https://support.apple.com/ja-jp/guide/notes/apdb5106e334/mac
これからメモアプリを使う人に注意点
以下に該当する人は、メモアプリに完全移行せず、まずは少し使ってから判断したほうがよいかもしれません。
- 高機能メモアプリを求める人
- 妥協という言葉を知らない人
- 公式クレクレ系の人
- お気に入りアプリと連携させたい人
- トライ&エラーをロスと捉える人
NotionやLoopからメモアプリに移行するのは、かなりの博打です。メモアプリに戻った今、Notionの同期ブロックは神だったなと思いますね……。
こうした「神機能」を懐古しつつ、ページリンクで代替すりゃいいか! と思えるなら大丈夫。もともと使っていたアプリと同じ機能を求めるなら、メモアプリを試す時間がムダかもしれませんよ。
無いものは無いんだよ!
あと、Notionってユーザーの声を大事にしていて、アプリに反映してくれるサービスだと思うんですが、Appleはそういう感じじゃないので……。他アプリと足並みを揃えることもしないし、改善改良に対する貪欲さを求めないほうがいいでしょう。
そしてNotionでコネクトを活用していた人、それらを捨てる覚悟で挑んでください。MacのAutomatorやショートカットで代替することになりますが、外部アプリに対する温度感がかなり低いので……。
なおMacのショートカットでは結構カンタンにAPI連携ができるよーって話は、以下の投稿に書きました。
最後に、メモアプリを使いやすくするにはトライ&エラーが必須です。フル活用している人がNotionほど多くないので、ネットで検索してもほしい情報が手に入らないことはよくあります。
情報を探している間は非効率を強いられますし、トライ&エラーには当然時間がかかるわけで、そこに意味を感じない人にはメモアプリをあまりおすすめできません。