• Reading time:7 mins read

前回のエントリーでもお伝えしたとおり、中山(@saosaoyamayama)はスマートニュースをこよなく愛しています。

最近よく見かけるのが「テレワーク」「在宅勤務」「リモートワーク」ネタです。自分自身が3年ほど在宅環境で仕事をしており、更に生産性が上がる方法や集中できる方法があるのなら知りたいなと思い、記事を読んでいます。

在宅を始めた頃は「在宅=内職・主婦の小遣い稼ぎ」としての記事が多く、ごく稀にプログラマーさんのデスク環境紹介記事がある、という程度でした。在宅勤務関連の情報がこれほど多くなったのって、ここ最近だと思います。

在宅勤務で集中する方法、生産性を上げる方法、集中できない、等など……。そんなタイトルがズラリと並ぶ昨今。それを読むのは受験生ではなく「大人」です。「会社員」が殆どでしょうか。

……。大丈夫か?それで大丈夫か?ネットの海にプカプカと浮かぶ『こうすればうまくいく!』というベリベリポジティブな言葉。大丈夫か?鵜呑みにしていないか?

今回は在宅勤務約3年目(延べなら5年目くらい?)に突入した中山が、世の中に出回っている「在宅勤務で集中する方法」の類に対して思うところを書いていこうと思います。

実体験に基づくものであって、昨今の「いきなり在宅移行」に当てはまらない部分も多々あります。でも、考え方のバリエーションとして参考にしていただきたい。

「在宅勤務はこうあるべき」という凝り固まった頭をほぐしてみると、案外集中できるかもしれないですよ!

在宅勤務では必ず仕事着に着替える、必要はない

ミーアキャット

いきなりベーシック破壊しました。「部屋着やパジャマで仕事をせず、自宅であってもそれなりの服装をすべき」というヤツですね。

私は全く気にしていません。宅配の荷物が届く日には「それなり以下」の、点数で表すと24点くらいの服装に着替えますが、基本的には部屋着です。

部屋着で仕事をする理由①:動きやすい

動きやすいですし、リラックスもしやすいからです。

ハーマン・ミラーの20万円の椅子で仕事をしていれば疲れ知らずかもしれませんが、あいにくそういう環境になく、座り疲れします。そんなとき座面に足を乗せて体育座りしたり、脇の下がちぎれるくらい伸びをしたり、とにかく体が求めるままの体勢でリラックスするためには「動きやすさ」は重要です。

部屋着で仕事をする理由②:めんどくさい

あともうひとつ、クズ人間ならではの理由が「めんどくさい」ですね。付け加えると「洗濯物が増える」です。

外出しないのだから毎日洗濯に出す必要はない、とか思うじゃん?いや、意外と汚れますよ、服って。中山は氷を入れた冷たい麦茶をこよなく愛していて、水筒に入れて仕事場に持ってきます。飲み終えると水筒をひっくり返して氷を食べます。でも氷がなかなか落ちてこないんです。乱暴にやると氷と一緒に溶けた水がドバァー!!!っと。

お昼ごはんを作ったりしますよね。食べますよね。汚れますよね。洗いましょう。

着替えが方が良い人もいる

人によっては服装を変えることで未知なるパワーが発揮できることもありますよ。例えば変態仮面はパンティをかぶることでヒーローになりますからね。

「それは私のおいなりさんだ」ってね。何かしらのスイッチを持っている方は着替えるべきだと思いますが、そうでないなら着替える必要はない。

「着替えるか着替えないか」で集中力が左右される方は、自分の服装を見ずにパソコンを見てください。いいですか、誰もあなたの服装なんて見ていません。以上!

出社仕事と同じ時間に仕事を始める、必要はない

腕時計

ケースバイケースといえばそうですが……。

例えば会社側がオフィスワークと同じ「時間」働けと言っているなら、いつも通りの時間に仕事をスタートする必要があります。でも、在宅ワークに移行してまで「時間」で評価する会社ってどうなのって、正直思いますけどね。

先日、とある会社の社長さんがインタビューに答えていました。会社設立当初から全社員テレワークとのことで、在宅勤務では結果こそ全てであり過程は評価すべきではないし、それが社員にとっての優しさなのだ、と。

めちゃくちゃ頷きました。私が仕事をいただいているクライアントさんと全く同じ考え方でした。

沢山の改良型パンティを作り出した人が評価される

例えば変態仮面がかぶっているパンティ。普通のパンティだと目が隠れてしまうので、衣装さんがひとつずつゴムを抜いてクロッチのサイズを調整して縫い直したんだそうです。

出社業務であれば、真面目に黙々と縫い直す社員の姿を見た上司が「わあ、こんなに沢山のパンティのゴムを全部抜いて調整してくれてるの?凄いね。頑張ってるね」と評価するはずです。山のように積まれたパンティが、1時間で完成したものであっても2日かかったものであっても、です。

では在宅勤務ならどうでしょうか。衣装Aさんは全てのゴムを抜いて縫い直し、衣装Bさんはゴム部分を切り取って「裁ほう上手(布用の接着剤)」で端を処理しただけ。装着感も見た目も同じパンティが仕上がるとしましょう。

Bさんのほうが工数が少ないので、短時間で沢山の改良型変態パンティを作り出すことができます。ですからBさんが評価されるわけです。これが在宅勤務の評価です。

かけた時間は評価に加味されない

5時間で10枚の改良型パンティを作ってください、という指令が出たとしましょう。

Aさんは5時間かけて10枚の改良型パンティを作りました。一方Bさんは2時間で10枚仕上げました。浮いた3時間で「変態仮面 アブノーマル・クライシス」を観ました。

AさんとBさんのどちらが高い評価を受けるでしょうか。答えは「同じ」です。なぜなら「結果」が評価されるからです。

ただし会社によっては「頑張り」を評価する場合もあるわけです。ご自身の会社は、どうでしょうか。

テレワーク移行で何が評価されるのか知る必要アリ

もし「5時間頑張ったAさんが昇格」とか「Aさんのほうが勤務年数が多いから昇格」とか、そんな評価が出されたらBさんは仕事を辞めたほうがいい。2時間で改良型パンティを10枚作る実力があれば、どこでも雇ってもらえますよ。

やむを得ず一時的なテレワークに移行した会社の場合、評価ポイントが曖昧なままになっていませんか?ぜひ上司や先輩に訊いてみましょう。働いた時間が評価されるのか、成果が評価されるのか。

完全実力主義であれば、業務開始時間にこだわる必要はありません。ただし、成果が出せる人、の場合です。何をやるにも人の5倍時間がかかる人は、業務開始時間を1時間前倒しして成果を出しましょう。いわゆる「コソ練」です。

ワールドトリガーで犬飼澄晴がメガネ君に言ったセリフが有名ですね。「コソ練した?」これができるのも在宅勤務ならではです。

ついつい◯◯してしまう人は落ちこぼれる

ついついブランコ

ついついYouTubeを見てしまう。ついついTwitterでエゴサして血反吐を吐いてしまう。ついついLINEを開いて友だちが多いフリをしてしまう。ついついブランコを漕いでしまう。こういう方々を「ついつい」系と呼びましょう。

他の社員の仕事ぶりが見えないのが在宅勤務の恐ろしさ

オフィス勤務なら、他の社員がどれくらい仕事をしているのか、どんな成果を出しているのか、どんなミスをしているのかが見えますが、在宅勤務では見えません。

在宅勤務は発達障害との特性と相性が良いといわれています。オフィスワークでは失敗が多かった同僚が、在宅に移行してからものすごく成果を出しているかもしれません。もともと出来が良かった後輩が急成長を遂げているかもしれません。

もっと言えば、あなた以外の人は全員めちゃくちゃ集中力があって、あなただけが遅れを取っている可能性だってあります。

山「いやあ、ついついYouTubeとか見ちゃうよね〜」

B「分かる〜、私も昨日お昼までずっとアマプラで変態仮面観てた

騙されるな!ということです。勉強していないという人ほどテストの点数がいい、という法則はみ皆さまご存知でしょう。

危機感を持つと誘惑に負けない。負けてしまう人は負けてみればいい

私のPCはLINEもTwitterも入っています。通知も来ます。ブラウザでYouTubeを見たって誰かにログを取られるわけでもないので誘惑だらけです。

キーボードのすぐ奥にスマホを置いています。ヒプノシスマイクARBやり放題です。

ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-

ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-

ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-

でもゲームはお昼の時間か夜ご飯の後に決めています。YouTubeはもともと見ません。Amazon見たりスマートニュース見たりするのもゲームと同じ時間。

基本的にクズ人間なので自分を律するのが苦手ですが、外面よし子で承認欲求強めなので、成果を出さなければ気が済みません。成果を出すためには働くしか無いでしょう。サボっていられません。

どうしても自分の欲求が抑えられない方は、半日かけてやりたい放題やってみたら良いと思います。半日サボっても1日分の成果が出せるなら、あなたは在宅勤務向きです。

半日サボって1日成果なしなら、奈落の底一直線です。サボってみますか?危ない橋を渡ってみますか?ほら、ちょっと危機感募るでしょ?

仕事をする環境を整える、のは大事

オフィスチェア占領

学校が休校になり、保育園が休園。在宅勤務に育児と家事が上乗せされている方々の悲鳴があちこちから聞こえます。特に未就学児をお持ちの皆さま。同じ状況になったことがない者として、有益なアドバイスなどできるはずもなく……。心苦しいです。

一時的な在宅勤務であればこうした事情は加味されるのでしょうか。仕事も減らしてくれる?なんてことは無いかもしれません。結局、時間を作るか環境を作るかのどちらかです。

お子さんがある程度の年齢(小学校低学年くらい)なら、環境づくりをおすすめします。

専用スペースは設けるべし

仕事用の机がなく、ダイニングテーブルで仕事をしている方もいます。でも子どもたちにとってダイニングテーブルは「日常」のもの。親が難しい顔でノートPCとにらめっこしていても、子どもたちにとっては新聞を読んでいるいつもの両親です。

小さくて安い折りたたみテーブル+椅子のセットを仕事のときだけセットする。椅子だけ用意してノートパソコンを膝に乗せて仕事をする。個室は難しくても、これくらいのスペースは取れるのではないかと思います。

仕事専用スペースだ、と宣言をしてそこに座ると、親は仕事モード、つまり子どもたちにとっては「非日常」になるはずです。いわばパンティをかぶった変態仮面です。

パーテーションが置けると最高ですが、のれんを垂らすとか、部屋の隅っこに設置するとか、できるだけ日常との区別を付けたほうが良いかと思います。あるいはヘッドホンを装着しておく、とかね。

視線だけは外出自粛しないように

見晴らし

これポイントです。

以前の私の仕事スペースはリビングにあり、初期は左側に磨りガラスの窓があって目の前は壁、その次はふすまに向かって仕事、と場所を移動してきました。どちらも視界のヌケがないんです。視線を逃しようがないんです。

眼精疲労が原因の肩こりについての記事を書きましたが、おそらく上記環境が悪さをしていたのだと思います。

今の仕事部屋は占有面積1畳に満たないくらいの狭さです。しかし左側は掃き出し窓+ベランダ、高台につき見晴らしは最高です。

考え事をするとき、目が疲れたとき、人生に疲れたとき、現実から目を背けたいときは窓の外を見ています。近い場所だけでピント調節を繰り返すと眼精疲労が蓄積されやすいらしく、時々遠くを見ることでピント調節の筋肉を大きく動かしてコリをほぐすようにしています。

限られたスペースで仕事をする場合なかなか難しいかもしれませんが、できれば窓に近い場所を選んでみてください。

ケースバイケースだということを念頭に充実したテレワークを!

ビジネスの素養

職種によってはどうしても「成果主義」に移行しにくいものもあります。毎日決まった時間に始業をして、オンラインミーティングはオフィスカジュアルでなければならないとか、決まりがあるなら従うしかありません。

そうでなければ、テレワークならではの自由度をうまく使っていこうじゃありませんか。

ネットやニュースアプリの記事に書かれている「集中する方法」「テレワークのNGルーチン」を鵜呑みにせず、自分のパワーがフルに発揮できる働き方や仕事環境について1日、半日でもじっくり考えてみませんか?

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 WEBコンサル・マーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトの運営を指揮。DigitalCameraWorldの認定フォトグラファー。 現在は2社5メディアの進行管理をしながら文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。