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家庭内通貨ってなんだ?

その名の通り、家庭内でだけ通用する通貨のことですね。多くの場合、親が作って子供に渡す。調べてみると、多くの場合で「手伝いの対価」として支払われているようです。

我が家も運用に踏み切りました。

きっかけは、スカパーの海外ドラマらしい

長「大乱闘スマッシュブラザーズのアバターが欲しいんだけど、自分の金で買っていい?」

母「ダメに決まってんじゃん。おもちゃ類は小遣いで買うな

ゲームのアバターなどの課金は、ゲームソフトと同じ扱いの我が家。おもちゃ類に関しては、正月のお年玉などまとまった収入をいただいたときに買うか、誕生日に買うか、サンタに頼み込むか、どうしても必要だというまっとうな理由を父親にぶつけるかの方法で購入するほかない。

母「そもそも、アバターなんて幾らすんの」

長「600円とか?そんなもんかな」

(600円……その程度か……)

話を聞くと、友だちも買っている。あれば世界が広がる。よそはよそ、うちはうちという考えで育った私は、自分の子供にそれを押し付けたくないと常々思っている。家庭により収入が違うからムリなものはムリ。任天堂スイッチ買ってとか、PS4買ってとか言われても無理。

だけど600円程度なら……。でも、一度買ってあげればキリがない。

母「買ってほしかったら手伝いでもしなさい」

次「え、何手伝ったら買ってくれるの」

(突然次男が参入してくるのが面白い)

母「ゴミ出しとか、風呂掃除とか……」

長「何回?」

母「何回って……母の気が済むまで!!」

ダメな親だ。なんとなくの考えを口にしてしまい、説得力の欠片もない。

長「じゃあさ、うちもママドル導入したら?」

母「ママドル?」

頭をよぎったのは松本伊代。

やめろ、それじゃない💢

ママドルとは、海外の子供向けドラマに出てきた家庭内通貨のことでした。

ママドル発祥の地

野球の練習が雨で中止になると、ゲーム、スカパー、ゲームの繰り返し。「どっか連れてって」とか言われない分、ダメ親としては助かるのですが。

スカパー内の『ディズニーXD』という子供向けチャンネルでは、アニメだけでなく海外ドラマも放送されています。うちの息子らが好きなのは『グレッグのダメ日記』。

よくあるトホホな子供が主人公のアレですね。これに登場する母親が、ママドル生みの親。(ビバリーヒルズ青春白書のドナちゃんの声優さんが吹き替えやってると思う)

長「ママドル作って、手伝いするとママドルもらえて、溜まったら買ってもらえるっていうのはどう?」

母「お前、天才かよ……」

その代わり「ママドル」というクソダサな名前は却下。せめて「ハハドル」にしてくれと。

ハハドルの稼ぎ方と換金レート

ハハドル札は10ハハ$と30ハハ$の2種類。

 

稼ぎ方

手伝いの労力により、支払われる金額が変わります。

例)

・猫の粗相(大):デカくてホットで片付け困難なものは30ハハ$、小さくて素手でも取れそうなものは10ハハ$。

・風呂掃除:20ハハ$〜30ハハ$(クレクレを全面に押し出すと20ハハ$に減額される

・テーブル拭きや回覧板とどけ:10ハハ$

換金レート

1ハハ$=1円

500ハハ$以上で換金可能になる。

(ただしゲーム内課金は親が購入することになるので実際に換金はしない

家庭内通貨を導入することは良いことなのか

子供に小遣いを与えるか否か悩んでいた頃、手伝いに対価を支払うことへの賛否を目にしました。

「金をもらうために手伝いをするなんておかしい」

お手伝いはあくまで子供の「善意」、という考えの方ですね。それとは真逆の意見もあります。

「働いてお金をもらうということの大変さを学べる」

手伝いを労働に見立て、対価として家庭内通貨を得る。それもまた一理ありますね。どちらも納得できるんです。今回家庭内通貨を作って運用し始めた頃、実は自分の中で「どちらが正しいか」を決め兼ねていました。

でも、子供の提案を断りたくなかったんですよね。とりあえず運用してみようっていう見切り発車でした。

家庭内通貨を導入して思ったこと

手伝いを「させられる」から脱却

次男はもともとお手伝いが大好きで、ちょっとしたことを「俺がやる」と引き受けてくれるタイプ。長男はお手伝いに興味がなく、家庭科で料理をしたから家でもやりたいとか、自分の興味関心と繋がれば手伝ってくれるタイプ。

運用を開始してみると、

次男:細かい手伝いで10ハハ$をもらう

長男:風呂洗いなどで30ハハ$をもらう

違いが見えてきました。

私のこだわりとして「手伝ったからハハ$ちょうだい」はNGだと思っています。それを口にすると10ハハ$値引きになります(今のところ長男が制裁を食らってる)。

働いてお金をもらう、それが大前提の家庭内通貨です。だけど「労働」「与えられた手伝い」ではなく「自ら進んで手伝う」ことを推奨したい。

ハハ$がもらえるかも?と思ったけどもらえなかった。じゃあ他にも手伝えることはないだろうか。

小さなお手伝いでも積み重なればハハ$を支払う、と伝えてありますので、微々たる手伝いにいちいち「ハハ$くれ」という長男にはあげたくありません。それと、自分の部屋の片付けなど「アタリマエのこと」をしても支払いません。はい、単なる母の意地悪です、アハハハ。

でも、それが功を奏している気がします。

母が「助かる〜!」と思う手伝いってなんだろう。

家の中がスムーズに回る手伝いってなんだろう。

家の中をきれいに保つためにできる手伝いってなんだろう。

毎日の暮らしの中で、自分たちの生活がうまく回るために大人たちがしていることはなんだろう。

その中で、子供の力でもできるものはなんだろう。

いっぱい感謝される手伝いってなんだろう。

彼らは一生懸命考えています。「ちょっと◯◯してくれない?」声をかけると、来てくれます。以前は「え、無理」とゲームから離れなかったのに。(そうすると私が激怒して手伝いを強制するという悪い流れに突入します)

ハハ$のために手伝いをするのは、自分のため。だけど手伝いは誰かのため。優しい彼らが、家の外に出ても誰かのために率先して動く人になってくれたらいいな。しばらく家庭内通貨の運用を続けてみようと思います。

計画的になる

長「風呂洗は30ハハ$じゃないと予定が狂うんだよ!」

10ハハ$減額された長男が言った言葉がこれでした。一日おきに湯船を洗って湯を張る我が家。洗う度に30ハハ$もらえたら、アバターは学習発表会の翌日に買える……。

という計画だそうです。

これってすごく大切なことですよね。欲しいものがあるけど、今は買えない。だったら毎日どれぐらい積み立てていけば買えるのか。

考えようによっては、一日中私につきっきりで私がやることを先回りしていたら、ハハ$が貯まるのは早いですよね。でもそうではなく、毎日少しずつ貯めていこうとする。大切です。

ハハドル画像

もしよろしければ印刷して使ってくださいませ。A4で作ってますが、フルサイズになるかな……。(自作発言や二次利用は禁止です)

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 デジタルマーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトのコンテンツ制作を並行指揮した経験を持つ。 現在は企業の人材育成コンサルやメディア進行管理をしながら、グラフィックデザイン・文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。 DigitalCameraWorld認定フォトグラファー、臨床検査技師。