軍艦島

【2025年】軍艦島ツアーは今が行き時|劣化する前に知るべき魅力とリアルな写真&体験談

2025年5月、軍艦島ツアーに参加しました。

軍艦島ツアーを検討している方向けに、どんな感じでツアーが進行するのか書いておきますぞ。

また、久々にPENTAX KPと一緒に旅をしてきたので、写真もいくつか貼っていきたいと思いまーす。

文章を読むのが面倒な方は、Notebook LMのポッドキャストでお楽しみください!

※いくつか色味がおかしい写真が混ざっておりますが、色空間の指定が狂っているようなので適宜修正いたします!

軍艦島ツアーの工程

廃重機

今回私がお世話になったのは、シーマン商会さんが開催する軍艦島ツアーです。

ツアー予約〜当日の流れまでザッとまとめます。

  1. 予約
  2. 誓約書記入
  3. 当日受付・乗船・支払い
  4. 出航〜軍艦島近辺着
  5. 軍艦島周遊
  6. 軍艦島上陸・記念撮影
  7. 帰着

ちなみに、軍艦島ツアーでは「周遊」「上陸」といった単語がセットになっていることが多いんですが、この違いを知っておきましょう。

  • 周遊:船に乗ったまま島をグルッと見学
  • 上陸:島に上陸して島内を見学(ツアー1回毎に上陸許可が必要!

現在は基本的に軍艦島ツアー=周遊+上陸ツアーです。しかし何らかの理由によって上陸許可が下りないと「周遊のみ」となります。上陸許可がいつ下りるかというと……船が出航し、軍艦島付近に到着した「あと」なんです。

つまり、船が出たからといって上陸できるわけではありません。「端島見学施設利用基準 」を加味して、長崎市が無線で「許可・非許可」を決めます。

私が参加した日は、軍艦島付近に到着した時点では上陸許可の連絡が入っておらず、周遊しながら連絡を待ちました。

1. 予約

シーマン商会のWebサイトで予約しました。

ツアーは午前便と午後便が選べます。私は1ヶ月前ぐらいに予約したんですが既に午前便は満席だったので、午後便を選択。

なお、お友達やご家族など複数人で参加する場合は、代表者が人数を指定して予約すればOKです。全員でタイミングを合わせて予約する必要はありません。

2. 誓約書記入

シーマン商会のWebサイトで誓約書をダウンロードし、予め記入して現地に持っていきました。これは大正解。

というのも、受付は屋根のない船着場で、ゆっくり記入するようなスペースがないからです。他のお客さんも記入済みの誓約書を持ってきているようでした。

なお、誓約書は1人一枚なので、ご友人と参加する場合は各々で用意する必要があります。あと、割引チケットも印刷して持っていきましょう。

シーマン商会のWebサイトTOPページの「各種資料のダウンロード」というところに、誓約書(1人1枚必要)と300円割引チケットのPDFリンクがあります。

3. 当日受付・乗船・支払い

シーマン商会の船着場は、水辺の森公園と松が枝国際ターミナルの間にあります。電停でいうと「大浦海岸通」、バス停は少し離れますが「グラバー園」「松が枝国際ターミナル」のいずれかが最寄りになるはず。

松が枝国際ターミナルは大型客船が寄港する施設です。この日はかの有名な「ダイヤモンドプリンセス号」が寄港していました。パッと見、海岸ギリギリにマンションが建っていると思ったら、船だった……。すごいデカい。

さてさて、電停の海側にはファミレスのガストがあります。ガストを左手に見ながら水辺の森公園に向かって進んでいくと、左手の桟橋(常盤2号桟橋)に「シーマン商会」ののぼり旗が立っているので、わかりやすかったです。

船着場にいる係員さんに名前を伝えて、お土産セットを受け取って乗船します。乗船したら支払い(現金)して、席につきましょう。席は自由席ですが先着順です。受付開始時間ぴったりに行ったのに既に半分座席が埋まっていました。

船の後方は屋根付き屋外席、前方は室内席。屋外席の方が人気がありましたね〜。景色が見やすいから? 残念ながら……航行中は水飛沫だの風だのが強いからか、すぐにビニールカーテン(透明)が下ろされてしまい、景色が鮮明には見えませーん。

なお、お土産セットにはパンフレットとうちわ、飴玉などが入っていました。飴玉は酔い止め代わりらしいです。

船内にはお手洗いがありますが、上陸間際は混み合います(並んでいました)。乗船前に済ませておくのがベター!

料金運賃施設見学料
(個人14名以下)
合計割引適用時
大人3,900円310円4,210円3,910円
中高生3,100円310円3,410円3,110円
小学生1,900円150円2,050円1,750円

4.出航〜軍艦島近辺着

船着場を出ると、乗船ガイドさんによる長崎湾内のビュースポットの説明が始まります。

長崎湾は日本有数の造船エリアであり、三菱長崎造船所には1909年に導入されたジャイアント・カンチレバークレーンという巨大なクレーンが現存しています。めっちゃデカいしカッコいい(語彙力を失った)!

女神大橋の下をくぐって湾を出ると、風も波も少し強くなる印象です。船の開口部はほとんどがビニールカーテンで塞がれ、クリアな景色は楽しめなくなりました。その代わり風を遮ってくれるので、船内は快適そのもの。

ビュースポットの説明がひと段落すると、船内のテレビ画面には軍艦島の歴史についての映像が流れます。テレビ番組をまとめた物のようでしたが、なかなか見応えがありました。

5.軍艦島周遊

軍艦島全景
船のデッキから撮影

船は2階建てになっており、周遊時間のみ2階のデッキに出ることができます。

当たり前ですが、軍艦島の全体が間近で見渡せるのは周遊時しかありません。上陸したら全体は見えないからね。しかも1階はビニールカーテンで塞がれて視界が悪いので、皆が我先にとデッキに向かいます。

さてここからは経験則になりますが……。船酔いしやすい人は無理してデッキに上がらないほうがよいかもしれません。

というのも、まず船は航行中(走っている最中)より周遊している時のほうが揺れます。ダメな揺れ方をします。常にどこかに捕まっていないとバランスが取れないぐらい揺れていました。

船はそれほど大きくないので、デッキの面積も広くありません。乗客が全員デッキでゆっくり周遊……とはいかないレベルで、大げさではなく「満員電車」状態でした。そうすると「ちょっと酔ったかも……」と思ってもすぐ船内に戻れないんですよ!

「デッキに上がっていいですよ〜!」と声がかかると皆一斉にデッキに向かうので、列ができます。船酔いしやすい人はその列がなくなる頃を狙ってデッキに上がるとよいのかなと思います。

その代わり、良いポジションは取れません。場合によっては階段の途中とか……。それでも軍艦島全景は堪能できますし、写真も撮れます。

この後上陸が待っているので、無理しないのが一番!

周遊時の写真

X階段
中央に見えるX階段

周遊時に撮影した写真をいくつかご紹介しましょう。まずこちらの写真の中央に写っている「X」型の建造物は「X階段」と呼ばれているものです。

左にあるのが65号棟、右が端島病院。その奥にX階段があるってことですね!

端島神社
端島神社の祠

こちらは端島神社。といっても残っているのは三角屋根の祠だけです。写真で見ると建物の屋上に建っているように見えるのですが、実際は島の頂上にあるのだとか(https://www.gunkanjima-museum.jp/data/558/detail/

6.軍艦島上陸・記念撮影

この日は無事上陸許可が下りました(船内拍手)。船酔いヘロヘロの状態で接岸・上陸!

軍艦島は島内どこでも自由に見学できるわけではなく、シーマン商会のガイドさんの指示に従って3つの見学広場を回ります。私は第2→第3→第1見学広場の順で歩きました。

第2見学広場

総合事務所

第2見学広場で目を引くのが、赤レンガ造りの総合事務所です。以前北海道の美唄炭鉱にある配電所に行った時にも思ったんですがが、赤レンガがあるとグッと廃墟感が増しませんかね。

赤煉瓦
雨の日もさぞ美しいであろうレンガ

「炭鉱といえば」な共同浴場跡もありました。まずは炭だらけの作業着のままドボン、服を脱いでドボン、と移動しながら身を清めていくシステムです。このあたりも北海道の廃炭鉱で学びました。

廃重機
人工と自然

錆びた鉄筋と崩れたコンクリート片と赤レンガ。その隙間から伸びる青々しい雑草の生命力たるや……。第2見学広場は、この島で最も廃墟感が強い場所だなと感じました

第3見学広場

30号棟
左から31号棟・25号棟・30号棟

第3見学広場には、かの有名な30号棟アパートがあります。

写真向かって右が30号棟ですね。中央に穴があるサイコロみたいな形をしていたそうです。吹き抜け中庭みたいな感じでしょうか。左は31号棟。こちらは島を守るような形で海岸沿いに広がって建っています。

30号棟は、日本で最初にできた鉄筋コンクリートの高層アパート。その階数はなんと「7階」! 当時はこれが「高層」だったんでしょうよ。日本初の高層アパートが、東京や大阪といった都市部ではなく長崎の端島に建てられたという事実。それだけでワクワクします。

30号棟クローズアップ

少し寄ってみました。柱、細ォ……。金属の芯の部分が残っている状態でしょうか。右側にはレンガも見えます。

台風やら塩害やらで崩落しつつありますが、それでもなお構造美は失われません。完全に崩落する前に間近で見られた幸運に感謝。

25号棟

こちらの写真の中央に見えるのは、おそらく25号棟。左の31号棟と右の30号棟の間から顔を覗かせていました。

鍛冶所

30号棟の近くにあるコチラは鍛冶工場だそうです。手前には瓦礫が散らばっています。

鍛冶所

こうして見ると、先ほどのX階段もそうですが「階段」って案外強いんですね〜。

なお、第3見学広場と第2見学広場の間にはプールがありました。底の白線が薄ら残っていましたよ〜。

海

これは……何だったっけな。

第1見学広場

採炭ベルトコンベア
第1見学広場から小中学校方向にレンズを向ける

第1見学広場からは、私が楽しみにしていた貯炭ベルトコンベアーが見えました。

採炭ベルトコンベア

ドミノ倒しみたいに連なる支柱が……ロマンたっぷり。

※写真の隅が暗くなってしまったのは、レンズカバーのせい。

端島小中学校
端島小中学校

ベルトコンベアーの向こうには、島内唯一の小中学校が見えます。窓ガラスはすべて割れていると思いきや、ところどころ残っているんですね! 最上階が崩落しているのが確認できました。

学校のそばには近付けませんが、望遠レンズで窓ガラスの有無が確認できるレベルの距離でした。

幹部職員住宅
会社のお偉いさんが住んでいた幹部職員住宅

崖の上に建つのは幹部職員住宅です。この真裏には住宅が建ち並んでいますが、残念ながら見学できません。

第1見学広場では、参加者全員で集合写真を撮影(ガイドさんのiPadで)します。軍艦島ツアーのブログにアップされていました。

地下に続く通路
第二竪坑坑口桟橋跡

ベルトコンベアーや小中学校の逆サイドに目を向けると、第二竪坑坑口桟橋跡があります。写真を撮り損ねましたが、階段部分が残っていました。その階段は、炭による黒い跡が付着したまま。

作業員は階段を通って地下600mにある作業場に向かったそうです(エレベーター)。ガス爆発と常に隣り合わせで高温・多湿の過酷な環境に行くわけですから、決して軽い足取りでは上れなかったでしょうね。

コンクリートも金属もこれだけ朽ちているのに、炭の跡が洗い流されることなく未だに残っているのを見ると、彼らが踏みしめる一歩一歩の重さを感じてしまいました。

帰着

船に戻ると、全員に冷えたおしぼりが配られました。ありがたいー!

まだ5月中旬だというのに、なぜかこの日(旅行中ずっと)はめちゃくちゃ気温が上がっており、暑さに順応していない体には堪えました……。おしぼりが毎回配られるのかどうかはわかりませんが、非常に嬉しいサービスです。

なお、軍艦島では「傘」の類いの使用が禁止されています。雨の日に上陸する場合はレインコート必須ですね。

雨傘はもちろんのこと、日傘もNGです。見学広場には屋根がありません(通路にもない)ので、日差しで体力を奪われる系の方は帽子をお忘れなく。

帰りの船内にはウトウトする人もいれば、行きと同じく軍艦島の映像を見る人もいて、皆さん口数少なくお疲れの様子。私は撮影した写真をチェックしたかったのですが船酔いが怖くて、結局はぼーっと映像を見ながら帰着しました。

軍艦島ツアー参加を迷っている方へ

軍艦島全景

数年前にツアー参加を検討した時は、大型台風通過の影響により安全に上陸できる状態ではないとして、全面上陸不可でした。しかも結構長い間上陸できなかったんですよね。いつまたこうなるか、わかりません。

また、Web上には軍艦島で撮影された写真がたくさんあると思うので、数年前の写真とこのサイトの写真を見比べてみてください。確実に、朽ちています。

いくら見学広場が整備されているとはいえ、日々劣化を続けるコンクリートの塊が目と鼻の先にある状態ですから、少しでも危険があると判断されたら上陸はできなくなるでしょう。

周遊はできるかもしれないけれど、自分の足で島を歩いて、護岸に触れて、栄えていた日々に想いを馳せながらガイドさんの話に耳を傾けることが叶わなくなります。

当然ながら……自分自身も老いますから。自分の足で歩けなくなったら上陸は難しいですよね。

ステマでもなんでもありませんが、軍艦島ツアーに参加したいけど踏ん切りがつかないなぁって方は、ぜひ踏ん切ってください

軍艦島ツアーFAQ

第1見学広場から

今回参加したシーマン商会さんの軍艦島ツアーにおいて、ココは注意したほうが良いよ! というポイントを挙げておきます。

傘(日傘も)の持ち込み、ペット同伴、未就学児の参加は禁止です。また荷物の預かりサービスはないので、大きな鞄は避けた方が良いですね。上陸時は船に荷物を置いておけません。ちなみに松が枝国際ターミナルにはコインロッカーがなく、シーマン商会のWebサイトでは長崎駅や新地ターミナルのコインロッカーを利用するようにと書いてありました。

現地でも記入できますが、持って行ったほうが楽です。

使えません。現金を、できればお釣りがないように用意していきましょう(支払いは列ができるぐらい並びます)。

できません。私が参加した時は満席で、行きは早い者勝ち、帰りは早く乗った人から順番に詰めて着席でした(屋外席→屋内席の順)。お友達と横並びで座りたい人は少し早めに受付するのがオススメです。

写真撮影については反省しかなかった軍艦島

花形のレンズフードを付けているんです。今まで一度も気にしたことがなかったんですが、超晴天時にアレを付けたまま撮影すると、場合によっては影が写り込んでしまうんですね……。

レンズもフードもPENTAX純正だったんだけどな……。撮ることに必死だったのもあるし、めちゃくちゃ天気が良かったのでモニターが見えにくく、チェックしたところで気付かなかったっていうのもあります。

長崎空港のロビーでパソコン開いて画像を読み込ませた時に「ウッ……」ってなりました。

一眼レフで遊び始めて10年以上経つのに、まだまだ勉強することがたくさんありますね! 押忍!

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