「走るたびに景色を残したい」「時速30kmの世界を知ってほしい」──そんな気持ちで手に取ったのが Insta360 X5 です。
これまで動画撮影といえばスマホ、写真は一眼レフ。正直「360度カメラ」や「アクションカメラ」なんて自分には縁がないと思っていました。ところがX5を使ってみたら、撮影スタイルそのものがガラッと変わり、ツーリングの時間がさらに楽しくなったんです!
この記事では、まだ使い込みは浅いながらも、Insta360 X5に初めて触って感じた魅力やちょっとした注意点をまとめてみます。
Contents
なぜInsta360 X5を選んだのか
アクションカメラ関連については、さまざまなレビュー動画・比較動画が公開されています。その中でなぜInsta360 X5を選んだのか。
自分がX5に惹かれた一番の理由は暗所性能でした。あるモトブロガーさんの夜の街走り動画を見て、ビル街の光を鮮やかに映し出す「ピュアビデオモード」に感動したのがきっかけです。このモードはX4以前には搭載されていない機能で、「X5なら夜の走行動画もキレイに残せる」と思い購入を決めました。
もうひとつ大きかったのはAI編集ですね。同様にAI編集が可能なOsmo360と比較しても、現状はInsta360のほうが一歩先を行っていると感じました。直感的に扱えるのはありがたく、動画編集に長時間かけられない自分にはピッタリでした。
ツーリングでの使い方
撮影シーンは基本的にバイクツーリングです。走行中に撮ったり、訪れた先でちょっと撮ってみたりする感じですね。
ザックリ紹介しておきます。
- 走行距離と撮影スタイル
- 時間帯は昼も夜も
走行距離と撮影スタイル

ツーリング自体そこまで数をこなしていませんし、距離ガバというほどでもありません。原付一種なのでね……。
直近では日帰りツーリングで50kmから最長110km程度でした。この間、ずっと録画しっぱなしにしているわけではありません。「ここから先、景色がよさそう」と思ったら録画ON、あるいは「この先に海が見えるはず」と事前に分かっている場合はその少し前から録画を始めます。
撮影のON/OFFを自分の感覚で切り替えるのが楽しくて、カメラを操作する時間さえ「ツーリングの一部」に感じています。まぁ、失敗もしていますね!
録画オフの状態でトンネルを抜けたら……目の前に逗子海岸! トンネルを抜けるところから撮りたかったけど、撮ってないよ!
時間帯は昼も夜も
撮影は日中が多いですが、夜にも試してみました。こちらは桜木町ですね〜。微振動しているのと、ビビビビという謎の音は純正マウントを使っていないことが原因ですので、悪しからず。
ピュアビデオモードをONにしたときの映像は、街の光をくっきりと描き出してくれて「これが360度カメラか!」と素直に驚きました。
逆にOFFだとやや暗く、従来の動画に近い質感。比較して初めて「X5を選んでよかった」と実感できました。同じシーンを撮り比べたわけではないのですが、参考までにピュアビデオなし・ありのキャプチャを貼っておきます。


ピュアビデオモードをONにするとコントラストがやや弱くなる印象ですね。このあたりは編集で調整できますのでご安心を。とにかく、構造物のディテールがハッキリしますし、30km/h程度なら動画の端が乱暴に流れてしまうようなこともありません。
このキャプチャは、PENTAX KPを持って川崎の東扇島東公園に工場夜景を撮りに行った時のものです。土曜日だったからかライトアップがかなり少なくて、PENTAX KPだと暗すぎて太刀打ちできず。
しかし、Insta360のピュアビデオモードなら撮れましたからね。強すぎるぞ、Insta360……。
アクセサリを使ってみて感じたこと
案件記事でも何でもないので書いておきますが、Insta360だけ買ってもできることは限られてしまいます! Insta360を買うならアクセサリ類にもお金がかかることを覚悟しておきましょう。私はバイクで使いたかったので、さらに上乗せされましたね……。
バイクではなく日常のVLOG撮影や旅行先で使う場合でも、最低限自撮り棒は1本持っておいたほうがいいです!
それと、純正アクセサリは高価ですが、個人的にはケチらず純正を買った方がいいなと思っています。というのも、サードパーティー製のとあるアクセサリは1/4ネジを強めに締め付けたらネジの周囲にヒビが入ったことがありました。
もしこれがInsta360だったら……。
自撮り棒(MAX114cm)
今のところは、バイクを降りて周辺を歩くときに利用しています。ちょっと伸ばすだけで映像の雰囲気が一気に変わり、普通の記録から「映像作品」に近づくのが面白いです(あくまで「近づく」ですよ)。今後はミラーマウントと組み合わせて走行動画の画角(撮影の高さ)を変えてみたいと思っています。

別に作品化したいわけじゃないし、出費抑えるためにも手持ち撮影でいいかな……と思ったそこのアナタ!
この画像を見ても、その意見を変えませんかッ!!
自撮り棒ナシで手持ち撮影すると、手が中途半端に入っちゃうんですよ……。残念でならないでしょ。
バックミラーマウント
ミラーと一緒に共締めするタイプではなく、ミラーの棒(棒?)にマウントを取り付けて使います。これは予想以上に安定していて、一度もズレたことがありません。

こんな感じですね! 以前ご紹介したRAM MOUNTSのスマホマウントシステムと同じく可動部にボールを使っているので、かなり自由に角度が変えられます。
ただしリトルカブは車高が低いため、ミラーに取り付けてもカメラの位置が低くなり、海岸線を走っていてもガードレールで海が隠れてしまうことが多々ありました。

こちらは葉山から三浦に向かっている最中にInsta360で撮影した動画のキャプチャです。ガードレールの向こうに海があるんですよ……。ちょうどいい高さで隠れてしまう。ちなみに七里ヶ浜〜逗子を走ったときもこんな感じでしたね。
改善策として自撮り棒併用を考えています。
なお、ミラーマウントよりも「ヘビーデューティクランプ」を使っている人のほうが多いと思います。バーハンドルのバイクに乗っている人はクランプのほうが便利ですよ〜。
プレミアムレンズガード
先に書いておきますが、Insta360 X5をお使いならレンズガードなしがおすすめです! 細かくは書きませんが、晴天時に光が拡散してゴーストのようになるんですよね。ということで、撮影中は外していて、カメラを収納する時に「くそ高ぇレンズ保護用」と割り切って使用中。
でもでもレンズに傷が付いたら困るからレンズガードがあったほうがいいのでは? とお思いの方、それはInsta360 X4までのお話です。
X5のレンズは何とレンズを「自分で交換できる」んです……。恐ろしい。しかも5,000円チョイですよ! プレミアムレンズガードより安いんですよ!
はぁぁぁ〜(クソデカため息)。
編集と共有のフロー
Insta360アプリは直感的で便利ですが、不満もあります。
例えばナンバープレートのボカシや美肌フィルタはアプリでしか使えず、PCソフトに機能がないのが不便。またAIが自動でシーンを拾って編集してくれる機能は便利な一方、同じようなシーンばかり拾ったり、やたら人ばっかり映ったりして内容が単調に感じることもあり、結局自分で調整したり、場合によってはアプリで一度書き出してから別の編集ソフトで加工する工夫をしています。
SNS投稿は簡単で、Instagramにサクッと上げられるのは本当にありがたいです。ただしアプリ書き出しだと「Insta360 X5」のロゴは消せてもテンプレ素材が強制的に入ってしまい、オリジナル感を出しづらいのは惜しいポイントです。
※「Insta360 X5」のロゴは消せますよ!
保存面ではクラウド利用が基本。私が購入した時期は、Insta360のクラウドストレージ1TB分が1年間無料で付帯していましたので、編集フローが固まるまでの間はこちらを使用することにしました。
クラウド保存には1時間以上かかる場合もありますが、ツーリングから帰って来て片付けしている間に進むので実害は少なめです。
書き出しに関しては、自分のiPhone13 mini環境だと1分以上の動画で音ズレが出てしまい、別アプリで音楽を追加する必要がありました。短い動画では問題なかったので、スマホ側の性能にも左右されそうです。
実際に感じた「良い点」と「惜しい点」
360度カメラを購入するならInsta360をおすすめしたいですが、良い点も悪い点もあるので、そこは明確に書いておきますね。
といっても、他社の360度カメラだって同じじゃない? って感じる部分も多いです。
良い点
- 画質:360度でこの解像感は驚き。
- 安定性:バイクの振動や風の影響をほぼ感じない。カメラは斜めに設置しているのに出てくる画像は水平。SUGEEEE。
- 臨場感:風切り音を抑えつつ、リトルカブのトコトコ音をクリアに収録(30km/h)。
- 熱対策:夏場の使用でも熱暴走なし。バイクからUSB給電できるので電源も安心。
惜しい点
- 発熱:かなり熱を持つ(それなのに落ちないのは逆に不安)。
- アクセサリ依存:良い映像を撮るにはどうしてもアクセサリが必要。サードパーティ製は強度面で心配。
- データ容量:高画質の代償としてデータは巨大。
- それなりのガジェット必要:PCやスマホのスペックはそれなりに必要。M4 Mac miniで困ったことはない。
Insta360の購入を迷っている方へ
Insta360 X5は、ツーリングの記録をもっと楽しくしたい人におすすめです。特に「運転に集中したいけど、景色も残したい」「静止画は別のカメラで撮りたい」というライダーには相性が抜群!
自分も静止画はPENTAX KPで撮りたい派なので一眼レフをリアボックスに入れて持って行っていますが、動画はX5に任せることで気軽に記録できるようになりました。
だって、画角のことなんて一切考えず、振動だって気にせず、撮りたい景色が広がっているその場所を走るだけで動画が撮れるんですよ。何も考えなくていい。家に帰ってからじっくりと映像をいじくればいい。
アクセサリはすべて必須ではありませんが、自撮り棒はあった方が断然良い映像になると実感しました。そのうえで、ミラーマウントやレンズカバーは走る環境や好みに合わせて揃えていけばOKです。
まだまだ使い込みはこれからですが、「ツーリングを映像で残すのはこんなに楽しいんだ」と気づかせてくれたのがX5でした。これからも動画を撮りながら、新しい発見を追記していきたいと思います。
なお、Instagramに2本ほど動画をアップしていますので、ご興味ある方はどうぞ〜。