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久しぶりに自作手帳を作った私(@saosaoyamayama)です。

2024年は大判カレンダーを予定管理のメインに据えたはずなのに、カードサイズ手帳を購入。初志貫徹って何だっけ、どこに売っているんでしたっけ?

今回は、過去の自作手帳・市販手帳で比較的使いやすかったセパレート手帳をベースに、自分にとっての使いやすさを追求したニュータイプ手帳を作りました。

文具メーカーさん、商品化してください(小声)。

※本記事はPRを含みます。

セパレート手帳の不満と解決策

市販されているセパレート手帳はA5サイズが多いみたいですね。

私は荷物が多いのが嫌いなので、パソコンや一眼レフを持ち歩く時を除き、ヘッドポーターの小さいポシェット? をぶら下げて出かけます。このポシェットは文庫本を入れてパツパツなので、A5サイズの手帳なんて入りません。

仕事中も手帳は小さいほうがいい。何しろ机が狭いので……。A5って、開くとA4ですからね!

市販のセパレート手帳に対する一番の不満は「サイズ」です。もっと小さいサイズがあれば市販の手帳を使っていたかもしれません。小さい手帳が欲しいがために、今までセパレートの前身ともいえるコクヨのPat-miをパクったパクリmiやセパレート手帳など自作してきました。

じゃあなぜその手帳を使い続けないのか……。ざっくりいえば「飽きる」からなんですが、その実の多くを占めるのが「使い込んだ味ではないただのボロボロ感」なんス。それを助長するのが「手書き」と、ホッチキスによる中綴じです。

セパレート手帳の不満
結局サイズと耐久性

上下2段のセパレート手帳は用紙の幅より綴じ部の幅が短いので、どうしても綴じ部に負荷がかかりやすくなります。

自作手帳はホッチキス留めで、手帳が大きくても小さくても針の間隔は変わりません。つまり、手帳が小さくなるほど強度が保てなくなるわけです。

またホッチキス留めに使う針は一般的なサイズなので、閉じられる用紙枚数に限界があります。そのため、強度を重視して厚めの用紙を使うのが難しいんですよね。用紙を厚くするなら枚数を減らす工夫が必要です。

  • ホチキス留めでも用紙がグラグラしない
  • 厚めの用紙を使うために綴じ枚数を抑える

この2点を軸に、新しい手帳を考えました。

ホチキス留めでも用紙がグラグラしないためには……。綴じ枚数を減らすためには……。

用紙幅に対して綴じ部の幅を長くするか、そもそも余計な力が加わらないようにするしかありません。この点でいくと、従来の上下セパレートスタイルは捨てることになります。また枚数が少なすぎるとグラグラするので、綴じ枚数の調整が難しいなと感じました。

……グラグラさせなきゃいいのでは? はっ、天才か? 天才現るか? 綴じ部が縦向きで、それに対して用紙が左右に開くからグラグラするんです。

新たなセパレート手帳は寄席の「めくり」スタイル

2025年新しく作った手帳
絵で伝えるのも難しいめくりスタイル

ということで、文章で説明するのがめちゃくちゃ難しいんですが、片側を寄席の「めくり」のようにめくって使う左右セパレート手帳を作りました。

サイズはA7変形(A7で作りましたがいろいろ調整しながら削ったので)です。右ページが月間なら左ページが週間、という形で使います。

構成は後ほど……ということで、工夫した点は以下のとおりです。

短い綴じ部を水平に配置して負荷を軽減

この手帳は本体+週間パーツでできており、本体はA6用紙を中綴じしています。通常の書籍を綴じるのと同じく長辺を綴じているので、大きな負荷はかかりません。

週間パーツは、形状としては上下セパレート手帳と同じです。A7用紙2枚分の細長い用紙を中綴じしています。で、この綴じ部を垂直にすると負荷がかかりやすい。

だから水平にしました(単細胞)。

本体の上辺に週間パーツを引っかけて? 被せて? 使います。こうすると綴じ部は水平になり、最も負荷がかかる「めくる」動作をする時は本体が支えてくれるので、綴じ部の負荷が軽減できます。

めくりスタイルでウィークリーの用紙枚数を2枚にセーブ

週間パーツは用紙2枚に抑えました。1枚で4ページ取れるので、8ページ分ですね。内訳は以下のとおりです。

  • ウィークリー(2週間1ページ)×6ページ:2ヵ月分
  • マンスリー×1ページ
  • 空白×1ページ(マンスリーの裏)

もう少し多くても大丈夫だったんですが、手帳が分厚くなるのもイヤなので……。

週間パーツ1セットで2ヵ月分のウィークリーページがまかなえます。手帳の構成上2ヵ月分にせざるを得ないので、必然的に綴じ枚数が2枚に抑えられるってワケです。

めくりスタイルのセパレート手帳を使ってみる

9月見開き
左右セパレート手帳?

※週間パーツはA7より少し幅を狭くする必要があり、今回はサイズを見極めるための試し刷り・試し製本です。用紙サイズがバラッバラなのはご容赦ください。

こちらが基本スタイル。9月の場合、右側に月間・左側に週間です。上下セパレート手帳と同じく、月間ページを見ながら週間ページが使えるようになっています。

10月見開き

10月の場合、左が月間で右が週間です。週間をすべてめくり終えると……。

11月の週間ページ

11月の月間が出現します。

では11月の週間ページはどこにあるかというと、10月の裏側にそれっぽい日付が……。

11月見開き

10月の裏にめくられていた週間ページを元に戻せば、11月の週間ページに切り替わります。

手帳の構造

今回印刷に使った用紙は、コクヨさんのスーパーファイングレードの両面印刷用マット紙A4です。0.15だとちょっと薄いかな……と思ったんですが、折って使うことを考えると妥当かなと思います。

本体テンプレート
本体印刷用

こちらは本体テンプレの一部です。マンスリーブロックを見開きの右だけに印刷しています。裏面も同様です。

これを中綴じすると、左が空白、右が月間ブロックの本体ができあがります。

週間パーツ表
週間パーツ裏

こちらが週間パーツの一部です。表・裏それぞれに印刷して、上半分が週間パーツ1つ分。横長に切って中綴じします。

印刷用の配置なのでわかりにくいんですが、月間ブロックの裏面には何も印刷しません。印刷せずに両面テープを貼って、本体の空白ページに貼り付けるんです。

週間パーツをすべてめくる

この画像では、9月左の空白ページに、週間パーツに印刷した8月の月間ブロックを貼り付けています。

週間パーツをバッとめくれば2ヵ月分のカレンダーが見渡せるってことになりますね!

なお、用紙の貼り付けには糊を使わず両面テープを使いました。両面テープのほうが綺麗に仕上がるし、用紙の端っこまで接着できるので便利です。

今回は用紙の四隅と、外周を6〜7割ぐらい接着したかな? 全面にベターっと貼らなくて大丈夫です。

手帳の外観

2025年自作手帳の外観
革なので縫うのは大変

どこまでしっかり作り込むべきか悩んだんですが……とりあえず今回はガッチガチに固めずに作りました。

インクジェット用のはがきが余っていたので、表紙として本体と一緒に中綴じし、スエードでくるんでいるような状態です。

青いスエードは1枚布にせず2分割し、手帳の高さギリギリに合わせたハラコに縫い付けて結合しました。ハラコが背表紙にあたります。なお、スエードもハラコも本革です。謎のコスト高手帳。

スエードは内側に折り込んだだけで縫い止めも接着もしていません。余っていたパイピングテープを輪っか状にして、折り込んだスエードが戻ってこないように押さえています。

今後パイピングテープを固定する時に、ハラコのバタフライストッパーを付ける予定です。

印刷テンプレは需要があれば……

2025年の自作手帳
折り込んだスエードが飛び出そうとしている……

やっぱり手作り手帳の良さは、自分が抱える不満や悩みをピンポイントで解決できる点ですね〜。前回ポストしたショートカットアプリもそうですが、自分の願いを叶えてくれる人はもう自分だけなんだぞ

とりあえずサイズを精査して作り直そうと考えていますが、どうかな……このまま使い続けるかもしれません。

あまりにも需要が低そうな手帳、かつサイズが調整できていないこともあって、テンプレートは公開しません。もし試してみたい方がいれば、問い合わせフォームからご連絡ください。

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 デジタルマーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトのコンテンツ制作を並行指揮した経験を持つ。 現在は企業の人材育成コンサルやメディア進行管理をしながら、グラフィックデザイン・文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。 DigitalCameraWorld認定フォトグラファー、臨床検査技師。