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そういうことです、はい(手抜き)。

 

講習は9:00〜17:00、12:00〜13:00は昼食休憩。

市内3ヶ所でそれぞれ日にちや時間が決められており、私は幸運にも自転車で5分ほどのところで受講できた。

受付でもらう用紙に記入をし、テキストが入った袋を受け取って会場へ。

よくある会議室ぐらいの広さの前半分にパイプ椅子が並べられ、どんどん座っていく。

Tさんは既に着席していたが、ペアを組むのは来場順(男女別)らしく、卓球かバドミントンかそんな感じのウエアを着た女性とペアを組むことに。

 

午前の部

抜けがあったらごめんなさいね〜。

 

とりあえずテキストに沿って説明を受ける。

説明してくださってる方は……救急救命士や消防士のOBさん?誰?!肩書不明。

 

午前一発目の講師はテキストを一字一句間違わずに読み上げていき、必要に応じて具体例を出し、関連ページに飛び、とても効率のよい説明が続いた。

隣りに座っているペアの女性、説明にいちいち「うんうん」「ああ」「へえ」と声に出して相槌をうつタイプの変わった人。

始めこそ周りはギョッとしていたけれど、慣れてくると次にどういう相槌が出てくるのか、頭のなかで推測して当たりハズレで遊ぶようになったのは私です。

 

一段高くなった教壇的な台に直接座り込んで説明をしてくれたのだが、ふいと気づいてしまって笑いを堪えるのに必死になった。 

救命講習に使うマネキン(上半身)をテーブル代わりにして説明してたから。

なんか、冷静になるとものすごくどうでもいいことなんだけど、救命の勉強を真面目にやってる時間に見るとどうにもこうにもおかしくてダメだった。

狙ってるのかとさえ思った。

 

救命における住民の役割や、一次救命つまり心肺蘇生とAEDを一秒でも早く始めなければならない理由とか、そもそも心停止という事態を避けるためその前兆を知るだとか、心停止が起こりうる場面、子どもの場合の危険性などなど。

 

救命処置の実際 

そして、実際に心肺蘇生をしてみることに。

テーブル君(マネキン)と全く同じ顔をした親戚一同がマット上に並べられ、3人一組となって実習をする。

ちなみに私とペアの方は端数になってしまったため2人で実習。

必然的に、実習の回数が増えるのでヨシ。

 

以下、私が学んだことを書きますが、必ずご自身でも調べて、正しいかどうか判断をしてください。

 

<安全確認>

倒れている人を発見したら、まずは周囲の安全を確認します。

通行量の多い場所なら車の流れを止めなければだし、倒壊しそうな家屋があれば移動しなきゃいけないかもしれない。

 

<意識はあるか>

倒れてるけど気絶してるだけかもしれない。

声を掛け、肩を叩き反応を見ます。目を開けなくても足先が動くかもしれないので全身を観察するそうですよ。

初めはふつうの声、徐々に大きく三度ほど「大丈夫ですか?」と。

ちなみに、痙攣している場合は「反応」に該当しません。

意識があるようなら「回復体位」(横臥して気道を確保するような体勢、これも習った)をとらせます。

 

<応援要請>

意識がない!応答がない!

周囲に誰かいれば応援を呼びます。そして応援の人を手でさし示して依頼します。

「あなたは119番通報をお願いします」

「あなたはAEDを持ってきてください」

すぐそばにAEDがありそうならひとりでいいかもしれないけど、私だったら2〜3人指名したい。誰かしらが持ってきてくれたらいいなと。

この時のポイントは「誰か持ってきて」「誰か通報して」じゃなく、確実に特定の人にお願いをすること。

 

<呼吸の確認>

意識はないけど呼吸はどうだろうか。

要救助者の肩口の低いところから足先に向かって斜めに見てみると、胸の動きが確認できます。

風が強くてよくわかんない!地面が揺れててよくわかんない!

だったら呼吸ナシと判断!

 

<胸骨圧迫と人工呼吸>

ただちに!

胸骨圧迫をします。

手の甲にもう片方の手のひらを重ねて、手のひらの付け根あたりで強く押します。

乳頭を結んだ線の真ん中の、下側。調べてください。

結構強く押さないとだめだし、100〜120回/分の速さで絶えず圧迫します。

できるだけ中断させないこと。まずは30回。

もし人工呼吸ができる環境にあれば(マウスピースがあるとか要救助者が自分の家族だとか技術があるとかね)、人工呼吸を二回。

呼吸確認と同じように胸のあたりを見ながら息を吹き込むと、胸がすーっと膨らむのが分かります。見えれば成功。

*要救助者が赤ん坊の場合は、人工呼吸をしてくださいとのこと!

 

ただちに!

胸骨圧迫を再開。

AEDが届くまで、もしくは救急車が来て救助隊に引き渡すまで、胸骨圧迫30回+人工呼吸2回を繰り返します。

 

<AED到着>

AEDを持ってきてくれた人が操作法を知っているのなら、電極パットの準備までお任せしちゃいましょう。

でも大抵は「AEDなんて初めて触るよ感電しそうでこええぇ」って人だと思う。

そしたら、AEDは要救助者の頭の辺りに置いてもらって、その方には胸骨圧迫をお願いしましょう。

別にその方じゃなくても、胸骨圧迫ならできるよって人でもいいけども。

とにかく、絶えず胸骨圧迫!

交代するときも1秒たりとも間が空かないように「いちにのさん、で代わりますよ、いちにのさん!」って感じで。

 

<AEDを装着>

AEDですが、電源さえ入れてしまえば勝手に喋って教えてくれます。

まず電源。

AEDのお姉さんの言うとおりにすると、電極のコードは後からつなぐ!んですね。

電源を入れたら、胸骨圧迫を中断して胸の状態を見ます。

服をまくりあげ、水濡れがあれば拭きましょう。そしてまた胸骨圧迫を続けてもらいます。

電極パッドの剥離フィルムを剥がして、パットに書いてある通りの場所にペタリ。しっかりと貼ります。

電極パッドは二枚あるけど、二枚いっぺんに剥がしてしまうと地面に落として汚してしまって使い物にならなくなる可能性があるので、必ず一枚ずつ準備。

パッドを貼ったら電極コードを本体にさしこみます。心電図の解析を初めますよ〜というお姉さんの声。

解析するから胸骨圧迫を中断してください、というようなアナウンスが流れます。

 

電気ショックが必要ない人に電気ショックをしてしまったらどうしよう……という心配はありません。

お姉さんが解析してくれます。

必要なら必要、不要なら不要と判断してくれますので。お姉さん優秀。

→ですから、呼吸の有無が分からない場合でも、意識の有無が分からない場合でも、はっきりするまではこの流れに沿って救助しましょう。

 

<電気ショック>

「電気ショックが必要です」

はい、皆さん離れてください。触ると感電するよ。

周囲に人がいないことを確認したら、電気ショックのボタンを押します。

 

<胸骨圧迫と人工呼吸>

ただちに!

胸骨圧迫を始めてください。

ショックボタンを押してなければ感電しません。間を開けず胸骨圧迫+人工呼吸です。

少し経つとまたお姉さんが心電図を解析してくれます。

必要ならショックを、不要なら「胸骨圧迫を続けてください」と、適切なアナウンスが流れますので従いましょう。

 

救急車がサイレンを鳴らして到着。

よっしゃこれで大丈夫!ではありません。

胸骨圧迫は「間を開けずに」です。

救急隊が到着し、救命処置をしている場所を確認し、救急隊の方が「いいですよ、代わります」と言ってくれて初めて胸骨圧迫を終わりにします。

 

というような流れでした。

ひとつひとつの手順を確認しながらの実技を1回、流れとしての実技を1回。

ひとり2回の救命処置を練習しました。

 

凄く疲れた

これが正直な感想。

筋トレかよ!部活かよ!

そりゃそうだ、私は2人ペアだったから実技を多めにやらせていただいたわけだし。

胸骨圧迫は体力使うし腕は痛いし。

 

でも、そんな疲労は明日になれば回復します。

だけど私がもし「いやぁ救命処置すげー疲れるし人工呼吸とかマジかんべん」って思ってしまってなにもしなかったら、目の前の人は死に向かいます。

絶対に自分を責めると思う。私はね。

幸いなことに講習を受けて一通りの流れを知って、繰り返して、自信もついた。

積極的に救助に参加したいと思う。

 

もし私が救命講習を受けていなくて「ムリムリ人助けとかやったことないし!」って何もしなかったら、目の前の人は死に向かいます。

絶対に自分を責めると思う。私はね。

だったら119番して「救命処置をしたことがない」と伝えましょう。

電話の向こうで指令員の方が教えてくれます。

何もしなければ死に向かう。それは頭に入れておきたい。

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 デジタルマーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトのコンテンツ制作を並行指揮した経験を持つ。 現在は企業の人材育成コンサルやメディア進行管理をしながら、グラフィックデザイン・文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。 DigitalCameraWorld認定フォトグラファー、臨床検査技師。