一眼レフカメラって重いですよね〜。あの重さが愛おしいとはいえ、丸一日撮影で首からぶら下げていると、首や肩が凝ったり、首の後ろが真っ赤になったり、一体は私は何と戦っているのだろう……と虚無感に襲われることもあるとか、ないとか。
ないかな。
今回はこうした「一眼レフファイター」にピッタリの商品、Peak Designの「キャプチャー」を購入したので簡単にご紹介。コイツを使って何ができるかというと……。
- 体に近い部位にカメラを固定でき、ストラップで下げる必要がない・ぶらぶらしない
- カメラをカバンから取り出すアクション不要
何それどーゆーこと? な方々に、Peak Design「キャプチャー」で具体的に何ができて何が利点なのかレビュー! 取り付け方や使い方、使ってみた感想をお届けします。
文章を読むのが面倒な方は、Notebook LMのポッドキャストでお楽しみください!
Contents
Capture(キャプチャー)の構成と簡単な使い方

今回紹介するのは、peak designのカメラマウントシステム「Capture(キャプチャー)」です。構成は以下のとおり。
- クリップ(本体)
- スタンダードプレート
- ロンググランピングボルト
- 六角レンチ
- 収納ポーチ
本体カラーは黒とシルバーの2色展開で、私はシルバーを選びました。なお、全部盛りセット以外にも、クリップのみ、プレートのみ、ボルトのみの販売もしています。
基本的な取り付け方

取り付け方を大ざっぱに説明すると、スタンダードプレート(上画像、以降「プレート」)をカメラ本体に装着し、クリップをザックやベルトに固定、クリップのスリットにプレートを滑り込ませて使います。

まず、カメラ側。底面にある雲台取り付け部にプレートを置き、プレートの1/4カメラネジ(付属)を使って雲台ネジ穴に取り付けます。ちなみにアルカスイス互換です。
プレート中央の穴は少し狭くなっているので、ネジが抜け落ちません。親切設計ですね! そもそもネジをいちいち抜かずに運用できます。

指である程度締めたら、付属の六角レンチでしっかり締め付けましょう。これでカメラ側の準備は完了です。

プレートの四隅にある隙間は、Peak Designのアンカー(ストラップみたいなもの)装着用ですが、お手持ちのストラップなども取り付けられると思います。

クリップは2枚の金属板でできていで、この間にリュックやベルトを挟んで使います。バックプレートにはラバーが貼られているので、ツルツルしたベルトもしっかりグリップ!
クリップ両側のネジを少しずつ緩めていくと、リリースボタン側(写真左)だけが外れます。この状態でベルトを挟み、ネジを締めればOK。

写真ではデフォルトのネジをそのまま使っています。こちらは工具を使わずに締められるのでラクチンです。
今回は出しっぱなしだった折りたたみ傘の袋を挟んでみました。

裏返してみると、ボルトが裏側に突き抜けている=ネジがしっかり噛んでいることが確認できます。

一方、画像のようにネジの噛みが浅かったり、ベルトに厚みがあって挟めなかったりする場合は、ロンググランピングボルトに付け替えましょう。

写真では、左のボルトだけをロングクランピングボルトに付け替えてみました。ロングクランピングボルトは六角レンチを使ってしっかり締め付けます。緩める時も六角レンチがないと動かないのでご注意を。

ウエストベルトに取り付けてみました。リュックなどに取り付ける時と異なり、クリップが縦向きになりますね。
この場合、クイックリリースボタン(Tシャツで隠れてしまいました)が上を向くように取り付けたほうが、ロック解除がしやすいです。
使い方

クリップとプレートを取り付けたら、プレート左右の隙間にクリップを滑り込ませます。カチッと音がするまで押し込みましょう。なおプレートにはストッパーがあり、ストッパー側からは入りません。
逆にいえば、ストッパー側に抜け落ちることもありません。
実際の装着動画がコチラ(ウエストベルト ver.)。カチッという音・感覚が結構クセになりますよ(ASMRかよ)。装着したらカメラを揺すってみて、緩みがないか確認しておくと安心です。
外す時は、クイックリリースボタンを押しながらプレートを引き抜きます。カンタンカンタン!
ボタンロックの方法
キャプチャーの使用想定シーンには、登山などの比較的ハードなアクティビティも含まれます。このようなケースでは、体の大きな動きによって意図せずクイックリリースボタンを押してしまう可能性がありますよね。そんなことになったら、大切なカメラが……落下!
という悲しいことにならないように、キャプチャーにはロック機構が備わっているんですね〜。
天才すぎる。

クリップ右の黒いクイックリリースボタンにご注目を。こちらは未ロック状態です。ボタンの白い横線とクリップの黒い横線が揃っていますね。
ここからボタンをクルッと90度回転させます。

ボタンの横線が上を向きました。これでロック完了です。
ロックされているとリリースボタンが奥まで押し込めなくなるので、ボタンの誤操作でプレートがリリースされることはありません。
キャプチャーの良いところ
使い方を説明するだけで、キャプチャー=良いとわかると思いますが、個人的に「イイネ!」を押しまくったポイントを挙げておきます。
- 三脚穴があればどんなガジェットにもフィット
- 分厚いベルトにも装着できる
- 基本は工具不要
- 六角レンチはキーリング付き
三脚穴があればどんなガジェットにもフィット
一般的な三脚穴(1/4ネジ穴)があれば、どんなガジェットにもセットできます。大きな一眼レフだけでなく、コンデジだって三脚穴さえあれば付けられますね。
たとえば1/4ネジ穴が付いているスマホのマウントは取り付けられるかな。
分厚いベルトにも装着できる
取り付け場所の想定としては「各種ベルト」。ウエストベルトはもちろん、リュック・ザックのショルダーベルト・チェストベルト、ボディバックのベルトもいけます。
クリップのボルト〜ボルト間の距離が5cm強なので、幅5cmまでのベルトなら大抵挟めます。

続いてベルトの厚みについて。
登山用のザックはショルダーベルトにクッション性があって分厚いので、デフォルトのボルトではネジが届きません。そんな時はボルトをロングクランピングボルトに付け替えればOK! 分厚いベルトでも問題ありません。
ベルトを挟まずにボルトの長さを比較してみると、ネジ山の数として6山分ぐらい長いです。
基本は工具不要
地味に気が利いているなと思ったのが、プレートのボルト締めに工具が必要ない点です(ロングクランピングボルトは六角レンチ必要)。
ボルトの緩みが怖かったので、使用中はこまめに指で締めていましたが、大幅に緩んでいることは一度もありませんでした。
もしも増し締めの度に工具が必要だったら、めちゃくちゃダルいっすよね……。
六角レンチはキーリング付き
なお付属の六角レンチにキーリングが付いているのも相当気が利いている。影浦隊の北添隊員ぐらい気が利いている。素晴らしい。
旅行中、六角レンチの出番はありませんでしたが、たとえばプレートによってバッテリーケースが隠れてしまうカメラの場合、バッテリー交換の度に六角レンチが必要になります。
そんな時、カバンのファスナーにでも六角レンチを引っかけておけば失くさないし、カバンの奥底に落ちてしまう事態も防げます。
キャプチャーを徒歩で・チャリで使用してみた感想

こちらの写真は、徒歩で長崎市内を回っていた時に撮ったものです。
今回は自転車移動があったので、ウエストベルトに取り付けました。リュックのショルダーベルトにカメラを取り付けると二の腕にぶつかる+重いだろうと思ったので。
自転車は丸一日、徒歩移動は半日程度でしょうか。
徒歩移動で感じたこと
私の愛機「PENTAX KP」はミドルクラス機で、バッテリー込みで約700gです。フルサイズ一眼レフに比べたら軽いほうではありますが、最近のミラーレスは500g切りますからね。それなりに重いし、首や肩に提げて一日撮影していると、結構疲れます。
今回キャプチャーで腰ベルトに固定して街歩きしましたが、「重い」という感覚はほぼありませんでした。
また腰ベルトに固定する場合、カメラが腰骨にガツガツぶつかるんじゃないかと予想していましたが、ぜーんぜん大丈夫! もはやカメラを持っていることを忘れるレベルで快適そのもの。
ネックストラップを使っているとカメラが意図せぬタイミングでブラブラ動くので、お店でじっくり品物を見る時なんかはあらかじめカバンにしまうことが多かったんですが、キャプチャーのおかげでその必要はありませんでした。
自転車移動で感じたこと
自転車を漕いでいる時も、控え目に言って「めちゃくちゃ快適」だったんですよ……。カメラが太ももに擦れたり腰骨に当たったりすることは皆無でした。
従来、チャリ移動の時はカバンにしまうのがデフォでした。ネックストラップはできる限り短くしたとしてもカメラがブラブラするし、斜め掛けしてカメラを背中側に回しておいても段々前側に移動してくるので。
でもキャプチャのおかげで「移動中出しっぱなし」が叶いました。
コレの何が良いかって、撮りたい! と思った時にサッとカメラが構えられることですね。カバンに入れてしまうと「1枚撮るためにカメラ出して収納するのもな……」と億劫になるんです。
徒歩よりスピードが出る自転車移動中は、シャッターチャンスを逃すというより「諦める」ことが結構多いと感じています。でもキャプチャのおかげで、ちょっと走っては止まってパシャッ、また走っては止まってパシャッ、っていう動きが全然億劫じゃありませんでした。

こちらの写真は長崎の外海地区を自転車で走ったときに撮ったもの。中央右寄りの山の上に見えるのは、出津教会堂です。峠道を抜けた先に橋がかかっていて、そこで一気に景色が開けたんですよね。咄嗟に自転車を止めてパシャリ。
キャプチャーを使うならここに注意
あくまで私が使った範囲での注意点なので、一般的なポイントは外しているかもしれませんが……。参考までに。
- ストラップを付けるならグリップストラップが吉
- 公共交通機関での移動時は「飛び出し」注意
- 輪行なら自転車折りたたみ時に注意
- ウエストベルトに付けるなら服を選ぶかも
ストラップを付けるならグリップストラップが吉
三脚穴に取り付けるグリップストラップが最もスマートかつ使いやすいかなと感じました。
以前このタイプを使っていたんですが、どうやら捨ててしまったらしくて見つからず……。カメラ←グリップストラップ←キャプチャーのプレートの順に取り付ければ共存可能なはずです。
徒歩移動でも自転車移動でも、キャプチャー+ネックストラップは注意して使わないとちょっと危ないなと感じました。というのもストラップがブラブラして、どこかに引っかかってしまう可能性があるからです。
たとえばガードレールのポールとか、隣を駆け抜けていくバイクとかに運悪くストラップが引っかかったら、間違いなく転倒するし、他人を巻き込む事故になりかねません。
今回はネックストラップをできるだけ短めに調整し、自転車に乗るときはストラップを適当に畳んでボトムスのポケットに突っ込んで移動しました。
公共交通機関での移動時は「飛び出し」注意
ウエストベルトにカメラを取り付けたままバスや電車の座席に座る時はご注意ください。
当たり前ですが、カメラの高さ分が出っ張ります。PENTAX KPの場合、およそ10cmです。
ショルダーベルトに取り付ける時は胸から前方に10cm。視野に捉えやすい位置にあるので、目障りではありますが注意も払いやすいですね。
しかしウエストベルトに取り付けるとカメラに注意が払いにくく、隣の座席に座る人にぶつかったり肘掛けにぶつけたりする可能性があります。
輪行なら自転車折りたたみ時に注意

こちらの写真は、長崎の中心地からしばらく自転車を走らせたところで、iPhone13 miniで撮影。目的地は「外海」です。
今回はアップダウンが激しい峠道を含めて25km以上の移動。歩道がない狭いトンネルを抜けることがわかったので、途中で自転車をたたんでバス移動に切り替えました。
自転車を折りたたむ時、カメラの存在をすっかり忘れていてですね……。ガツンとぶつけたよね、カメラ。幸いなことに傷が付いたり割れたりしませんでしたが、めちゃくちゃヒヤッとしました。
キャプチャーは輪行に最適なギアだと思うのですが、自転車を折りたたむ時はカメラをカバンに入れるか、背中側に回して避けておくかしましょう。お姉さんとの約束だぞ!
ウエストベルトに付けるなら服を選ぶかも…


これも当然なのですが、ウエストベルトに装着するとトップスが一部ズリ上がるので、いくらオシャレしても見た目が多かれ少なかれ犠牲になります。
写真1枚目は少し厚手のTシャツで、裾が斜めに持っていかれて目も当てられません。対して2枚目は落ち感のあるトップスなので、サイドがズリ上がっても持ち直している感があります。
それと、ボトムスはジャスト〜ハイウエストのものがおすすめです。腰ばきだとベルトが腰骨に当たるだろうし、ベルトがカメラの重さに負けて動く・ズレると思います。
一眼レフに愛着が増すキャプチャー
地元のヨドバシカメラのカメラ売り場に行って、結構ショックを受けたんですよね。本当に一眼レフ売らなくなったんだ……と。そしてミラーレス機の小ささ、軽さに驚き、Nikon Zfcに一目惚れしました。軽いな〜、薄いな〜、そこそこ安いな〜。
PENTAX KPの機能に不満はありません。ただ、どうしてもミラーレスに比べて重い・でかい・厚い。リュックが変形する。そんななかで、今回のキャプチャー購入ですわ!
その結果、一眼レフの愛着が増しましたね! KPをキャプチャーで腰にセットすれば重さは感じない。元々、撮っている最中は重さなんて気にならない派ですから、持ち歩きの面倒さえクリアできればいいんです。
長崎旅行の4日間使い続けて、もっと早く買えばよかったと思いました。旅行の後、高校の体育祭の撮影でも大活躍。首・肩の辛さが全然違いました!
なお、キャプチャーは一眼レフを手ぶらで持ち歩ける最高のガジェットですが、100%落下しないとは言いきれません。ご自身の責任範囲で安全に使用しつつ、時々増し締めしておくと安心です。