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フリーランスの仕事って何となく「納品=報酬チャリーン」のイメージが先行しているんですが、最近は「稼働=報酬チャリーン」の仕事も出てきています。業務委託契約の「準委任」ってやつですね。

私(@saosaoyamayama)は1年ほど前に事業部長の激務から解き放たれ、現在はいろいろな仕事に手を出して何でも屋状態。そのうちのひとつが「ビズアシ(旧ビズアシスタントオンライン)」経由の準委任業務(2社掛け持ち)です。

割と情報が少ないビズアシの仕事について、書ける範囲で書こうと思います。いろいろと制約はあるので全部は書けませんよ〜。

どうやって仕事が決まるのか、どういう契約形態なのか、本当に時給なの? 実際仕事キツくない? とか(勝手に想像した)さまざまな疑問にお答えしまっせ。

※書類通過すらできない、みたいな話はまた別途記事にしますよ〜。

ビズアシってどうやって仕事もらうの

ビズアシで仕事を獲得する流れ
登録から契約までのステップ

一応書いておきます。ビズアシに応募すれば仕事がもらえるわけじゃーないんですね。ビズアシへの応募=登録です。

  • ビズアシにアシスタントとして応募
  • スキルチェックシート提出
  • ビズアシ事務局のかたと面談(オンライン)
  • ビズアシ案件に応募
  • 企業側が希望すれば面談
  • 双方合意したら契約手続き

アシスタント登録の際にスキルチェックシートを提出したり、事務局のかたと面談したりします。見当違いな案件を紹介しないため、あるいは企業とのマッチングの判断材料を増やすためでしょうね。

タイピングテストをやった記憶が……。あとは履歴書・経歴書に近い印象です。

経歴やスキルを盛りすぎると、企業と面談した時に「何だコイツ」って思われるかもしれません。うまいこと契約できても、稼働を開始してから辛くなるかもしれません。だからといって控え目に書くと企業の目に留まりにくい可能性もあります。

  • やったことがある
  • できる
  • 経験豊富

ここは曖昧にしないほうがいいと思いますね。

スキルチェックシートは一度提出したら定期的に更新とかナイので、書けることは書いておくのが無難かな。少なくとも私は「更新してね〜」と言われたことがありません。

※新しいスキルを獲得した・資格を取ったら、事務局に相談すればスキルシートの更新はできるのかもしれません。

ビズアシの契約条件ってどーなの

請負と準委任の違い
何に対して対価を受け取るかが違う

有名な話ではありますが、オンラインアシスタント業務は大抵の場合「時間単価」で契約します。契約形態は業務委託契約の中の「準委任」です。

準委任は成果物の納入ではなく「役務の提供」によって報酬を得る働き方ですね。

  • 月間契約時間
  • 時間単価

契約条件としてはこの辺りがキモになるかと思いますよ。

月間契約時間

ビズアシ案件だと月30〜50時間契約が多い印象です。 平日のみの稼働を想定すると、月50時間契約の場合1日2〜3時間ですね。

ただし、月間契約時間を超える場合と下回る場合があります。

契約時間を超える場合

契約時間残り僅かになったらビズアシに連絡して、ビズアシが企業側と相談して延長の可否が決まります。当月中に捌きたい仕事があれば延長になるかもしれません(私実績MAX80時間)。

超えないように収めてほしいっていう企業もあります。その場合は月末に向けて稼働時間を調整しなきゃいけなくて結構大変

稼働時間を下回る場合

50時間契約なのに業務が20時間分しか発生しなかった、みたいなケースです。私はこれで収入が激減して事務局に相談したことが何度かあります。

契約時間に満たなかった分は翌月上乗せして働けます。ですから数時間の不足なら翌月取り返せるんじゃないでしょうか。

十分な業務量が確保できないことを理由に解約となるケースもあるようですが、幸い私は継続できていますし、じわじわ仕事が増え始めています。とはいえ、当初の契約時間には全然届かないので悩ましいですね。引くに引けなくなってきた。

時間単価

業務内容や実務経験、専門性によってバラツキがあります。私の感覚的なアレで書きますが、データ入力や事務作業で1,300円ぐらいからかなあ。

Webデザイン系とか実務経験が問われる業務は2,000円を超えてきます。

私が案件を探していた時よりも全体的に時間単価が上がってきている印象なんですよね。在宅フリーランスの仕事として考えると、決して悪くない単価だと思っています。

ビズアシの報酬計算と支払い、どーなの

手数料無料のビズアシ
クラウドソーシングの手数料ってデカい

気になるのは手元に入ってくる金額ですかね。手数料とかどーなのよ、と。

あと、稼働時間はどこで管理して誰が確定するのか。1時間単位なのか1分単位なのか。その辺りをちょいと書きます。

納品物ありきの請負契約では、作業に10時間かかっても5時間かかっても報酬は変わりません。でも役務提供型の契約の場合は所要時間によって報酬が変わります。ここは大前提です。

受け取り報酬

ビズアシの仕事は稼働時間を1分単位で記録して、契約時間内で稼働を収めるのが基本です。契約時間分働けばOKですし、「仕事が遅すぎるから追加で5時間働いて」とか、実質の時間単価が下がるようなこともありません。一切の嘘がナイ

※時間単価は下回らないけれど、時間は下回る可能性がありますよ。

※仕事が遅すぎたら契約継続が危ういですよ。

ではでは、50時間契約で時間単価1,500円の場合と2,000円の場合で報酬額を計算してみます。

  • 時間単価1,500円:1,500円×50H=75,000円(税抜)
    →75,000円×10%=82,500円(税込)
  • 時間単価2,000円:2,000円×50H=100,000円(税抜)
    →100,000円×10%=110,000円(税込)

※なぜかビズアシって税抜き計算

ここから振込手数料が引かれます(楽天銀行の場合は手数料100円。良心的過ぎる……)。

報酬はクラウドワークスのシステム経由で入金されますが、何とシステム利用料0円です。クラウドソーシングって報酬の2割ぐらいは手数料で溶けていくじゃないですか……。アレがないんですよ……。

売掛金の消込処理めっちゃラク。

平日だけ2〜3時間/日稼働すれば1ヵ月の収入が8〜10万円。今まで月額固定報酬で辛酸を嘗めてきた私としては「条件良すぎる」のひと言です。しかも1分単位で報酬が発生します。

固定報酬の仕事では所要時間を加味してもらえるとは限りません。役務という納品物を収めているのかコレは……ってなるとホントしんどいです。

一般的に「プロジェクトマネージャー」は収入高い仕事ですけど、時給換算したら驚きの桁数で吐きそうになったことがあるので、ビズアシはホント……ありがとうございます。

稼働時間確定と報酬の支払い

稼働開始・終了時にタイムカードアプリでポチっとすると、タイムシートに時刻が自動的に記録されます。

ただしパソコンのOSによってはタイムカードアプリが使えない(M1 Macとか)ので、その場合はタイムシートに手入力です。

稼働開始〜報酬支払いのスケジュールはこんな感じ。

  • 当月1日:稼働開始
  • 当月末日:24時までにタイムシート記入完了
  • 翌月5日ごろ:前月分の報酬確定(稼働時間確定)の連絡が届く
  • 翌月末ごろ:クラウドワークスから支払い用スカウトが届く・契約
  • 翌々月15日ごろ:報酬入金

一般的なクラウドソーシング案件と支払いサイトはほぼ同じですね。

ビズアシから時間管理用のExcelを渡されます。これは手元管理用でビズアシにも企業にも提出しません。Excelを使わなくてもやりやすい方法でいいそうです。

私はNotionで時間管理をして、タイムシートの稼働記録と手元の記録が合っているか必ず確認しています。

タイムシートは絶対正しいとは限らなくて、システムの不具合で報酬額がズレていたことがありました。自分の手元でしっかり管理していて良かったです。フツー気付かないわ……。

自分の働きを無駄にしないためにも、時間管理はサボらないほうがいいですよ〜。

ビズアシの面談、どーなの

ビズアシの面談3種
③は知らなかった

ビズアシの面談は3つあります。紛らわしいですね。

  • ビズアシ事務局との面談(登録時)
  • 企業・事務局と三者面談
  • ビズアシ事務局との面談(稼働開始後)

気になるのは2つ目だと思いますが、3つともザックリ書いておきまっせ。

ビズアシ事務局との面談(登録時)

スキルシートの内容について事務局さんとすり合わせ面談をします。時間は30分ほど、オンラインです。

  • 稼働可能時間:稼働時間帯、コンスタントに動けるか
  • 他の仕事:現状と今後の予定、ビズアシの仕事とどのように並行するのか
  • 経歴:ビズアシ案件に関連しそうな経歴を中心に深掘り
  • その他:今の仕事以外に仕事を増やそうと思った理由

もっといろいろ聞かれたんですが、覚えていません。この面談はマッチング度が高い案件を紹介してもらうための時間だと思って気楽に臨みましょ。

企業・事務局と三者面談

企業を交えた三者面談
経験ないとそうとう厳しいですが大丈夫ですかとか訊かれてもですね

案件に応募して、企業側が興味を持ってくれたら三者面談に進みます。私個人の印象ですが、傾向として「即戦力になる人か」を見ている気はします。

  • 業務経験の深掘り:かなり細かく
  • 稼働時間・曜日など:企業側の希望がある場合それに添えるか
  • 使ったことがあるツール・どこまで使えるか など

採用面接みたいな質問(どうしてこの仕事を選んだんですか、とか)をされたことはありません。でもB社には「専門性が高い未経験ジャンルに応募したのはどうしてですか」って聞かれた気がする。

なぜコイツはリスクを取ったんだってフシギだったんでしょうね。

ちなみに「三者面談」の人数は3人とは限りません。一番しんどかった座組は「事務局1人・私1人・企業側3人」

ビズアシ事務局との面談(稼働開始後)

初めてビズアシ案件で稼働を開始して1週間後ぐらいだったかな。フォローアップ的な面談がありました。

企業とのやり取りはもちろんですが、時間管理ツールの使い方や報告の仕方など「ビズアシ案件で稼働する」ことに対するフォローですね。

B社と契約した時はこの面談がなかったので、おそらく1社目で稼働開始した時に実施されるものと思われます。

ビズアシの案件、実際働いてみてどーなの

五つ星
https://unsplash.com/photos/0ZUoBtLw3y4

ビズアシ以外で2年近く「月額固定報酬」で働いていたんですが、思い切って辞めてよかったです……(今もサポートはしていますけど)。

現在はビズアシ2案件を掛け持ちしていて、どちらも長く続けたいし、契約更新してもらえるたびに「うぎゃああああありがてえありがてえ!」って拝み倒しています。

収入面でのメリットは語り尽くしたので、ここでは「働きやすさ」に着目してみます。

お休みを取ったり時間をずらしたりできる(要相談)

私はB社が午前中、A社は入稿の都合で夕方メインに稼働しています。でも用事が入った場合は時間をずらしたり、お休みをいただいたことも何度かあります(多くはない)。

当たり前のことですが、イレギュラーがわかり次第企業に相談です。必ずコレをやっています。急ぎの業務は社員が巻き取るケースもあるので、とにもかくにも相談です。勝手に休むとかもってのほか。

日頃から報告連絡相談できていれば「え、休むの……?」と言われることはないでしょうね(契約書の定めにもよりますけど)。

事務局担当者のフォローが素早い・手厚い

コチラから事務局に質問するとほぼ当日に返信がきます。すぐに回答できない場合でも「確認しますね」とひと言連絡が入ります。ものすごーく安心できます。

100%当日返信ではありませんが、長く待たされたことはないかな。

契約に関する連絡・相談はビズアシを通すことになっています。また企業に直接言いにくいな……ってこともビズアシさんに相談ですね。回答内容に不満を持ったことは一度もありません。

かなり「お任せ」してくれる

基本的なお作法やルールは企業ごとにありますが、ルールを守ったうえでやるべきことが遂行できればとやかく言われません。「指揮命令を受けない」っていうのは業務委託契約の基本ですが、今までの仕事が……まあいいや。

仕事の流れが滞らなければ管理方法は問わないし、作らなきゃいけないものが作れればソフトも問わないって感じです。ただし企業の機密情報も扱うので情報管理の責任は付いて回ります。

業務を進める中でわからないことがあれば当然相談します。企業側も「相談に乗る」的な温度感なので相談も質問もしやすいです。

外部アシスタントとはいえ、企業のチーム・プロジェクトに参画して『協働』しているんだなあと実感しますね。

仕事が面白い

入れ子にしないと間違う
仕事しやすい環境作りが趣味(クレイジー)

大げさではなく仕事が楽しい。これに尽きます。サザエさん症候群には久しく罹っていない。

ビズアシ案件は面談に進んだら企業名がわかるんですが、今まで3社と面談して2社は超有名企業、1社は私がよく見るメディアを運営している企業でした。

大企業だから・有名だから良いって話ではないんです。でも、多くの人が利用しているサービス・メディアにかかわる仕事ができるのは楽しいなと思います。

それと、これは私だけかもしれませんが仕事しやすい環境作りを結構楽しんでいるかもしれません。

繰り返し依頼が入る画像制作はテンプレを作っちゃう。図版制作は依頼者別のカラーパレットを作っておく。シートの記入漏れやミスを防ぐツールを作る。商品仕様やメーカー別販売価格、割引キャンペーンをデータベースにまとめておく。

こーいうのが楽しくてねー!

※ツール作りは稼働時間外にやっています。

登録して様子見るのもアリ

紙飛行機のオブジェクト
https://unsplash.com/photos/guiQYiRxkZY

この記事をわざわざ読んでくださっている人は、ビズアシに登録するか迷っている、あるいは登録したもののこれからどんな試練が待ち受けているのか不安な人ですかね。

登録にも応募にもお金はかからないので、とりあえず登録してどんな案件があるのか確認してみてはどーでしょうか。

ビズアシはアシスタント専用の仕事案件ページがあって、自分にスカウトがきていない案件も確認できます。私は当初ライティング中心にスカウトがきていましたが、もっと自分の経験にフィットする仕事を発見したので路線変更しました。

あと、なかなか選考に通らないっていうのはあると思うので、ここは別の記事にするつもりですが、バットは振らなきゃ当たらないわけです。

四球で満足ですか?もっと貪欲になりませんか?(誰だ私は)

落ちたって誰かに指さされるワケじゃないので、ガンガン応募していいと思いますよ〜。

S.Nakayama

一帖半執筆工房代表。 デジタルマーケ企業のフリーランスPMとして計9サイトのコンテンツ制作を並行指揮した経験を持つ。 現在は企業の人材育成コンサルやメディア進行管理をしながら、グラフィックデザイン・文章校閲・校正者・ライターとしても活動中。 DigitalCameraWorld認定フォトグラファー、臨床検査技師。