前回エントリーでは、M1 Mac miniのセットアップ段階で「M1の何がすごいの? 今のところフツー」と吹聴していた私(@saosaoyamayama)です。
ベンチマークを見ればスゴさは一目瞭然かもしれません。でもそういうことではなくて。
実際に使っていて「うわっ、すごっ!」という感覚が得られないと「まだ2018が使えるのにわざわざ買い替えた」ことに対する言い訳ができないじゃないですか。主に家族に向けての言い訳が。
セットアップ完了後、タイミング良く「写真現像」「レイヤーありの画像編集」が立て続けにありまして、そこでM1のパワーを実感しました。
M1 Mac mini、買って良かった! と声を大にして言いたい。そしてMac mini 2018(16BGメモリ)を3万円以上で売りたい。
ただ、確かにM1はすごいけれど、ユニファイドメモリ16GBにしておくべきだったかも……と思ったりもしました。
M1のパワーを感じたポイント、使ってみたアプリについて記載します。
Contents
ちょっとしたことが速すぎてついていけないM1 Mac mini
Google Chrome(App Storeにない)を皮切りに、普段使いのアプリを少しずつインストールしていきました。
アプリの動きについては後半で語るとして、Macそのものの動作の速さを実感した作業をいくつかピックアップ。
新しい Google Chrome で毎日をもっと快適に。Google の最先端技術を搭載し、さらにシンプル、安全、高速になった Chrome をダウンロードしてご活用ください。
再起動が速すぎて戸惑う
ATOK Passportに加入したので、ATOK関連のセットアップをしました。完了後に再起動したわけですが……。
「再起動している間に○○をやろう」と思っても、その暇がないほど起動が速い。あまりに速すぎて、自分は何をしていたのかわからなくなりました。これ、大げさではなく。速すぎてついていけない。
日本語入力システム「ATOK」 | ATOK Passport |【公式】ATOK.com
「ATOK(エイトック)」は、スピーディーで誤りのない入力を実現にする日本語入力システムです。「ATOK Passport」では、最新版「ATOK」を、4つのOSで、10台までご利用いただけます。
諸々の動作がいちいち止まらない
キーボードのマッピングのためにKarabiner-Elementsを入れました。
このソフトは外部のものなので、入力監視周りでセキュリティ認証が必要です。
Intelのときは、アプリの動きが一瞬鈍くなるような感じがして「認証来るぞ」と気付き、認証ダイアログが出てきました。
でもM1だと鈍くなる感じが全くなくて、その結果ダイアログを2回見落としました。いろいろ先を急ぎすぎていて心配になるM1 Mac。
なおKarabiner-Elementsについては以下の記事で謎のキー配列を披露しています。
M1対応のアプリケーションは確かに速い!
動画編集をしている方はM1のパワーを実感しやすいようですね。Final Cut Proユーザーさんが口をそろえて「速い」と。私はiMovieユーザーかつ最近出番がないので、動画編集については別途検証したいと思っています。
写真現像も負けていない。「Lightroomの現像が爆速!」っていう声もたくさんありました。
実際にいろいろ使ってみて、M1対応(M1ネイティブ)のアプリは「おっ、すごっ!」と感じる場面が多いです。
でもIntel版でRosetta2を介しているアプリは通常運行か、Intel Macでは見られなかったラグが出たり、落ちたり、マイナスの挙動が見られるものもあります。
ユニファイドメモリは16GBにしておくべきだったかも……
前々回のエントリーで「各種レビューを見ると、ガッツリ動画編集とかしなければ8GBで十分らしいっすよ」と書きました。
確かにそうだと思います。でも、動画編集しなくてもそれと同じレベルの負荷がかかったときはどうなのかなと。そこまで負荷をかける前提で考えていなかったのが運の尽き。
- Luminar4でRAW現像
- DeNoiseAIで書き出し
- Music
後で語りますが、DeNoiseAIがかなり軽快だったので調子に乗って「書き出しながら○○」をやってしまったんですね。
現像しつつ書き出しして、Musicで「ヒプノシスマイク」を聴き始めたところ……。
同じ歌詞・フレーズを何回か繰り返すエフェクトみたいなやつだと思ったらそうではなく、メモリ不足で楽曲再生に影響が出ました。ヒプノシスマイクってラップなので「そういうリミックス」だと判断してスルーしそうになったんですが。
LuminarやDenoiseAIみたいな「とにかく重い」とされるアプリを同時稼働させる場面なんて滅多にないかもしれません。
でもM1 Macはこれらを同時稼働したくなるぐらいのパワーがあるわけで、そのパワーを存分に生かしたいなと思ったんです。
そうするとやっぱり、22,000円(税込)でメモリを16GBにしておけばよかったかもな……と感じています。
M1 Mac miniで動かしてみたアプリケーション
見出し頭の【】は、アプリがM1に対応しているかどうかです。アクティビティモニタ上の種類が「Apple」なのがM1ネイティブ、「Intel」はRosetta2を介しています。
アプリをM1 Mac mini(2020)で動かしたとき、Intel Mac mini(2018)で動かすよりも挙動が良ければ「◎」です。その逆が「△」ですね。
アプリ内のどの機能を使うか、どの程度負荷をかけるかによって評価は変わると思います。あくまで一例としてどうぞ。
【M1】Google Chrome/◎
「大量にタブを開いても軽快」というレビューはいくつか見かけていますので、多分そうなんでしょう。
Intel Mac使用時にGoogle Documentで84万文字のファイルを開いて、全選択してテキストエディタにコピペするという作業をしました。でも、全選択した時点でフリーズするので、何回かに分けてコピペする羽目に。
M1 Macで同じ作業をやったところ、全選択で数秒のラグはあったものの、それだけ。何事もなかったかのようにコピペが完了しました。
【Intel】Dropbox/変化なし?
Dropboxの日常使用については変化なしですね。
クラウドデータをM1 Macに落とすとき、ファイルがあり得ない速さでフォルダに落ちてきたんですけど、あれはM1のおかげなんですか?このあたりがよくわかっていない。
ちなみにdropboxデスクトップアプリは「M1をサポートしていますよ」って書いてあるんですよね。リンクは以下。
Dropbox を実行するためのシステム要件 | Dropbox ヘルプClearSearchLoading
デスクトップ版とモバイル版 Dropbox のシステム要件や、Dropbox の要件を満たしているシステム、デバイスに Dropbox をインストールする方法をご確認ください。
【M1】Spark/◎
メーラーです。入れているアカウントは7つ。メインのアカウントはメッセージ件数1,000件超えです。
このアプリは閉じるときにバックアップがかかるので、PCを再起動するときはバックアップ完了を待つことが結構ありました。
でもM1では1度も待っていません。「同期します」的なダイアログを一度見かけたきりで、すぐ消えました。
iPhone、iPad、Mac そして Android で使える最高のメールクライアント | SparkFacebookTwitterYouTube
Spark は、受信トレイを完全にコントロールすることを可能にします。重要なメールが即座に見つかり、不要なものは一括処理することができます。Spark for Teams の機能を使用すれば、チームメンバーと一緒にメールを作成したり、受信したメールの内容をチャットで話し合ったり、リンクで共有したりすることができます。
【M1】Biscuit/◎
チャットアプリやTwiter、Trelloなどすべて突っ込んでワンクリックで切り替えられる優秀なアプリです。
Intel Macのときはアプリを切り替えるたびにほんのわずかなラグがありました。Chatworkだけはラグかった。リロードしないと表示されないこともありました。
M1にしてからはPower Pointのページ切り替えより速い(どういうことだ)。とにかく一瞬です。
Biscuit(ビスケット) | いつものアプリがタブに埋もれない無料ブラウザ
Biscuit(ビスケット)は複数のアプリをまとめて管理できる軽快なブラウザです。いつも使うアプリをBiscuitに登録すれば、目的のアプリをすぐに呼び出して利用できます。たくさんのタブの中からアプリを探す必要はもうありません。Biscuitを使っておだやかな仕事と生活を送りませんか?
【Intel】Luminar4/△
写真現像ソフトです。「Lightroomより重い」との評価がくだり、へっぽこMacBook12インチでは使い物にならなかったヘビー級アプリケーション。期待していたんですけどね〜。
残念ながらIntel Macでは見られなかった「スマートコントラスト調整でのラグ」が出ています。それとリサイズ・トリミング時のラグが長くなりました。
Luminar4はM1非対応なのですが、Luminar AIはM1ネイティブになっています! 評判は上々。また2022年2月にリリース予定のLuminar NeoはM1ネイティブなので、そちらに期待。
Luminar Neo — Brand-New Product Preorder!
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【M1】DeNoiseAI/◎
ヘビー級アプリとしてIntel Macで大暴れしていたのが、ノイズ除去ソフトDeNoiseAIです。
読み込み→プレビュー→(必要に応じて数値調整→プレビュー)→書き出しの流れで、1枚の書き出しだけに3分かかっていました。書き出しをスタートしたらお昼ご飯食べに行くレベルです。
M1 Macに変えてからは1枚30秒! 明らかな差ですよね。
プレビューも本当に時間がかかるアプリなのですが、これも改善。
Intel Macで写真全体のノイズを処理したうえでプレビューすると「分単位」で待ちます。処理レベルの数値を動かすたびに分単位で待ちます。なので処理範囲を狭くしてプレビューを出すんですが、それでも待ちます。数十秒待ちます。
これに対してM1 Mac。部分プレビューならほぼ即プレビューです。全体プレビューでも5秒程度かなぁと思います。
DeNoiseAIのノイズ除去性能は本当に優秀で、動作の重さだけがネックだったんです。M1に変えて良かった!
ちなみにSharpenAIというシャープネス処理アプリも持っていて、こちらはまだ検証していませんが、M1ネイティブです。
DeNoise AI – Remarkable Image Noise Reduction
Stunning noise reduction tailored to the specific needs of your photos using powerful AI technology. Effortlessly remove distracting grain while restoring critical sharpness.
【Intel】MediBang Paint/△
フリーのイラストソフトです。趣味・クライアントワークともにお世話になっていたのですが、この度引退させました。
Intel Macではレイヤーが増えても問題なく動いていたんです。でもM1 Macではレイヤー100枚を超えたあたりで「おや?」と感じました。
まずレイヤーフォルダを複製するとラグが発生します。2秒ほどですね。
それと保存の際、虹色のクルクルが出てきて5〜10秒待たされます。Intelではこんなことありませんでした。
通常はアプリ独自の保存形式「.mdp」を使っていましたが、クライアントワークで「.psd」保存したんですね。レイヤーが増えてきて(といっても2桁)、保存と同時に落ちました。怖くて使えません。
あとはスポイトで拾った色をパレットに追加すると、落ちます。3回やって3回落ちました。
ここぞというとき痛い目にあう気がしたので使用中止しました……。酷使しなければ問題ないですよ!
無料のイラスト・マンガ制作ツールメディバンペイント(MediBang Paint)のオフィシャルサイトです。メディバンペイント(MediBang Paint)の機能や使い方を紹介しています。
【M1】CLIP STUDIO PAINT DEBUT・PRO/◎
有償で高機能なんですが、Intel Macではサクサク感に欠ける印象だったので、長きにわたりお蔵入りしていたんです。MediBangの挙動が怪しくなった時点で復活させました。M1ネイティブでしたね!
M1 Macで使ってみたところ、いいじゃないの! Intel Macでは色域選択だけで微妙にラグっていた記憶があったものの、M1だとサックサク。
機能制限アリのDEBUTをやめて、買い切りのPROに切り替えました!
イラスト マンガ制作アプリ CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)
クリップスタジオペイントは、イラスト・漫画・アニメーションなど作品制作に幅広く使えるPCソフト/スマホ・タブレットアプリです。無料体験版を今すぐ試せます
【Intel】Amazon Photos/変化なし?
Amazon Photosのデスクトップアプリは今のところM1非対応です。
M1 Macにインストールして初回の同期、これがびっくりするほど遅くて「え、まだやってたの?」レベルでした。でもAmazon Photosってそもそもスローな印象があるので、プロセッサとは無関係かもしれません。
ということで「変化なし」にしておきます。
Amazon PhotosはPrime会員に無料のオンラインストレージを提供し、デスクトップ、モバイル、タブレットに無制限の写真を保存して共有することができます。
【M1】LINE/変化なし
LINEはM1ネイティブなんだね。29.3MBのpng画像を添付して送信しましたが、不具合なし。
ただ、これほどのファイルをIntel Macで送ったことがないので比較ができません。それゆえの「変化なし」です。
メッセンジャーアプリを超え、新しいコミュニケーションの形を目指して、新時代のインフラ体験をLINEはひとりひとりに届けていきます。
【M1】mi/変化なし
テキストエディタです(旧ミミカキエディット)。こちらも早速M1ネイティブ! Mac mini 2012からずっと使っていて、常にサクサク超軽量。
84万文字のテキストをmiで開いて全選択してコピー。この操作は多くのソフトでフリーズするので分割コピペせざるを得ないんですが、miなら大丈夫です。
同じことをM1でもやってみましたが、もちろん大丈夫。つまり変化なしです。一生ついて行きます!
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M1ネイティブアプリで感じるM1プロセッサの素晴らしさ
CTOと呼ばれるカスタマイズ版Macを買ったことがない小庶民なので、今までずっと非力なMacを使ってきました。
そのため、M1 MacとM1ネイティブアプリの挙動の速さ・パワフルさには結構驚いています。
有意差が見えにくいアプリはありますし、DeNoiseAIみたいに大きな差が出ているアプリもある。いずれにせよ、悪くなったことは何もないです。
Biscuitやmiなど個人制作のアプリが早々にM1対応しているのを見て、すごいなぁ、ありがたいなぁ、と思っています。
今後あらゆるアプリがM1対応に変わっていけば、確実に作業効率が上がるのではないでしょうか。
さしあたり、Luminar Neoのリリースが待ち遠しい!