リトルカブのサイドバッグを探していたんですが、市販のバイク用サイドバッグって……なんだかピンとこない。革素材でもステッチが白かったり、バックルが安っぽかったり。
もっとかっこよくて、普段使いもできるサイドバッグはないものか。
そんな思いから、バイク用品ではなくZatchels(ザッチェルズ)のサッチェルバッグをサイドバッグとして使うことにしました。英国の学生カバンとして知られるあのクラシックな革製バッグです。リトルカブとの見た目の相性も抜群で、取り外しも簡単だから普段使いもできる。
今回は、その取り付け方法を詳しく紹介します。
文章を読むのが面倒な方は、Notebook LMのポッドキャストでお楽しみください!
ポッドキャストで私は男性とされていますが、女性です、はい。
※本記事はPRを含みます。
Contents
ザッチェルズのサッチェルバッグをサイドバッグにした理由
市販のサイドバッグをあれこれ見て回ったんですが、うーん。どれもこれも……ピンとこない!
- 革(本革でも合皮でも)
- できれば黒以外
- 金具やステッチが安っぽくない
このあたりを重視して探していたんですよね〜。その結果、いわゆるバイク用品としてのサイドバッグではなく、サッチェルバッグに行き着きました。
サッチェルバッグって何ぞ? という方は、むかーしむかしの学生カバンを想像してください。革製でカクカクしているあの形状です。世間的には「サッチェルバッグ=英国の学生カバン」とされております。
Zatchelsのサッチェルバッグがサイドバッグに使える!

メルカリで見つけたZatchels(ザッチェルズ)のサッチェルバッグを、思い切ってリトルカブのサイドバッグにしてみました。中古には見えないぐらい、状態が良いんですよね……ふああああ、素敵。シートの茶色×黒をイイ感じに踏襲するダークブラウンが最高。
私が購入したのは14.5inchの2WAYタイプです。フラップ(フタ)のハンドルでハンドバッグとして使えるし、両サイドにショルダーストラップを掛けて使うこともできます。
このD環やハンドルをうまく利用すれば、リトルカブのサイドバッグにできるのでは……と思ったわけです。
リトルカブと見た目の相性が抜群
中古なので、気を張らずガシガシ使えるところがまず良きポイント。また牛革の質感とクラシックな雰囲気が、リトルカブにめちゃくちゃ馴染むんだな、コレが……。
私のリトルカブはレッグシールドを外しているし、アップマフラーに替えてしまっていますが、おそらくノーマルのリトルカブだったら更にマッチ度が上がると思います。
取り付け・外しを容易にすれは普段使い可能
すぐ取り外せる仕様にすれば、サイドバッグとしてだけでなく普段使いもできるよな〜というのも、サッチェルバッグを採用した理由の1つでした。
サッチェルバッグはボストンバッグと比較してマチが狭いので、たとえば一眼レフカメラのような荷物は入れられません。でも面積は広いので、13インチのパソコン+周辺機器が余裕で入ります。
先日2泊3日ツーリングの際に、リアボックスに12インチのMacBookを入れて行ったんですが、現地の駐車場からホテルの部屋までは別のカバンに入れ直さなきゃいけなくて、地味に面倒だったんですよね。
パソコンを持ち歩きたい時や買い物で荷物が増えそうな時、サッチェルバッグ1つあれば動きやすいだろうな〜と思いました。
服装を選ばないのが革製品の良いトコロ
革のカバンって、割と服装を選ばないんですよね。何にでも合ってしまうのが嬉しいポイントです。
一般的なサイドバッグも「外せば普段使いもOK」ってなっているものがありますが、何だろうなー、微妙にスポーティなんですわ。ナイロンナイロンしすぎなんだよなー。
革素材だとしてもステッチが白くて妙に主張してきたりね。あれ、革と同系色にすればスポーティさが落ち着くと思うんだけど……。あと、バックルが安っぽい。これが良くない。
リトルカブのサイドバッグを選ぶ時のポイント
リトルカブの場合、ウインカーランプより前方にカバンを取り付ける前提で、カバンのサイズを決めましょう。
私が買ったサッチェルバッグは、幅が36.8cmです。当初はリアキャリアに吊すだけでOKだろうと思っていましたが、ウインカーランプのせいでリアキャリアより前にカバンが押されてしまうため、リアキャリアだけで固定することは叶いませんでした。
リトルカブはその名のとおり、カブシリーズの中では小型です。そのため、さまざまなパーツが「近い」んですよね。
- ウインカーランプ
- キャリア(小さめ)
- サスペンション
- シート
これらが車体後部にギュッと詰まっています。また、リアキャリアが小さめにできているのもリトルカブの特徴です。

そうすると、まず何よりウインカーランプが邪魔になり、キャリアの中央とカバンの中央を一致させるためには小さなバッグしか取り付けられなくなります。

それと、カバンの裏側にはサスペンションが通っているのと、キャリアが小さめにできているのが相まってカバン・キャリア間に距離ができ、より固定しにくい状態になるんですよ。
小さな(幅が狭い)サイドバッグや縦長のサイドバッグなら問題ないかもしれませんが、今回のサッチェルバッグのような横長のカバンを取り付ける場合は、試行錯誤が必要です。
でもリトルカブに取り付けるなら、縦長のカバンより横長のカバンのほうがマッチすると思います。今回は、横長のサッチェルバッグをどのようにして取り付けたのか、できるだけ詳しく書いておきますので、コレを参考にしてかっちょいいサイドバッグに仕上げてほしいです!
使用したもの一覧
- Zatchels サッチェルバッグ:幅36.8cm×高さ25.5cm×マチ9cm
- パラコード:4mm 7芯のもの(5m購入)
- フック付きナスカン:2つ(D環部直径7mm)
- サイドバッグサポート※結果的に不要だったかも
まずはZatchelsのサッチェルバッグ、14.5inchのものですね。私は2WAYを買っていますが、最近は3WAY(リュックにもなる)が売れているみたいです。
こちらの画像の商品は3WAYで、ハンドルのすぐ下にD環が1つ付いています。
2WAY新品はZatchels公式サイトで39,600円なり。
今回はパラコードを使って車体とカバンをつなぎます。私は使用していない純正のヘルメットロックに(片側の)パラコードを通しており、あまり太い紐が使えません。
試作段階では5mmのパラコードを使いましたが、5mmは問題ナシです。
Tigerのパラコード、Amazonで850円なり。
ナスカンはフック付きにして、取り付け/外ししやすくしています。
私が購入したのはUUU JAPANのナスカンです。D環部分の内径が7mmのものを選びましたが、近所の島忠にはこれしか売っていなかったので……。
2個セットで300円ぐらいだったかな?
また、サイドバッグサポートについてですが、小さいカバンを取り付けるならあったほうがいいですね。
今回のサッチェルバッグの場合は、無くても大丈夫だったかも。まぁ、あっても邪魔にならないものなので、私は取り付けておくことにしました。
取付方法
- サイドバッグサポート取り付け
- コードAを作成、キャリアに巻き付け
- コードBを作成、ヘルメットロックに巻き付け
- サッチェルバッグのD環にコードを取り付ける
このような手順で進めていきます。コードはザックリとした長さで作って、現場で調整するほうが良いかも。私はヘルメットロックにコードを巻き付けましたが、それがない場合は他のパーツに巻き付けることになると思うしね。
なお、私のリトルカブはアップマフラーのため、車体の右側にはサイドバッグの取り付けができません。左側に取り付ける方法を紹介します。
サイドバッグサポート取り付け

リアキャリア後部のボルトを一旦外して、サイドバッグサポートを重ねてボルトを締め直すだけ! カンタンですね。
このタイプのサイドバッグサポートは上部にプレートが付いていて、サポートの位置を微調整できるようになっています。私は右寄りになるようにセットしました。
ボルト同梱のサイドバッグサポートも売っていますが、既存のボルトがそのまま使えましたよ〜。
コードAを作成、キャリアに巻き付け

コードAは、キャリア→カバンのD環を繋ぐものです。大体何cmぐらいあればいいか、あらかじめ測っておきましょう。私の環境では6cmぐらいでした。
キャリア側はループ(輪っか)にしてあり、カバン側はフック付きナスカンで処理しています。
今回はパラコードを編み込みたかったので、6cmのコードAを作るためにパラコードは60cm以上の長さで用意しましたが、編まなくても構いません。片側がループ、片側がフック付きナスカンになっていれば何でもOKです。なんなら両側ナスカンでもいいのでは(固定方法によりますね)。
編むって何をしたのかというと、まずはパラコードを半分に折ってループを確保し、以下サイトの方法で編み目を1つ作りました。ループは、キャリアに巻き付ける+ナスカンを通すぐらいの輪っかができるように確保しました。
続いて逆サイド(輪ではないほう)にはナスカンを通し、平編みを2目編んでおしまい! 平編みは以下のサイトのコブラステッチを参考にしました。
紐の長さに余裕を持って編み込んでおくと、後からコード長の調整がしやすいんですよね。実際バイクに取り付けてみて、短いようなら編み目を少しほどいて全長を長くしてから編み目を締める、みたいな感じでその場でカンタンに調整できるので、おすすめです。
コードAは、キャリアの後部に巻き付けて使います。
コードBを作成、ヘルメットロックに巻き付け

コードBはちょっと長め。車体右のヘルメットロックから、カバンの左サイドのD環まで伸ばします。大体37cmぐらいになったのかな〜。
こちらも片側をループにし、もう片側はナスカンです。ナスカン側は平編みで4目編んであります。

コードBのループ側はヘルメットロックに引っかけて、逆サイドに引っ張っていきましょう。
カバンの幅が大きい場合は、シートの下にコードBを這わせる形になりますね。
サッチェルバッグのD環にコードを取り付ける

バッグ両側にあるD環に、コードのナスカンをつなぎます。コードが届かないようなら編み目を少しほどいて調整を。
あとはカバンを動かしてみて、不安な部分がないかご確認ください。
実走レビュー

実際にサイドバッグを取り付けた状態で、2度走行してみました。なお、我が家はどこに行くにも急坂を通っていきます。
- 1回目:試作コードで2時間越え
- 2回目:本番コードで20分×2(往復)

まずサイドバッグの懸念として挙げられるのが、ホイール巻き込みとバタつきでしょうか。コレについてはまったく問題ナシでしたね〜。
サイドバッグサポートとサスペンションのおかげで、ホイール部に干渉することはありません。
写真を見ていただくとわかるとおり、カバンとサイドバッグサポートは一切固定していませんが、バタバタすることもありませんでした。何か、絶妙な角度で固定できたのかもしれない。
それと、このサッチェルバッグのフラップ(ふた)はマグネットで固定されており、走行中にマグネットが外れてフラップがパタパタしたり、最悪の場合は中身が落ちるのではないか……というのが大きな懸念でした。
が、2度の検証で1度もマグネットが外れることはありませんでした。
おそらくですが、カバンの左右だけで吊る形にしたのが功を奏したのだと思います。カバンのハンドルで吊っていたら、フラップが上に引っ張られるので、マグネットが外れやすくなっていたはず。

バイクを降りてバッグを外した時は、ナスカンをキャリアの適当な場所に引っかけておきます。コードが風に煽られた時に車体を傷付けてしまわないように、コレはマストですね。
もちろん、サイドバッグを取り付けずに走行する時も、この状態にしておけばコードの巻き込みリスクなし。我ながら、なかなかパーフェクトな形に持って行けたように思います。
デメリットと対策
ひとまず安心して連れ出せる形にはなりましたが、不安なことが1点。それは「雨問題」です。そもそも雨が降っている日はツーリングしないのですが、やはり突然の雨が心配ですね。
今のところ対策として考えているのは2点。
- ザックカバー or ビニール袋を入れておく
- 雨具の下でカバンを身に付ける
中古品なので気を張らず、突然の雨にはザックカバーやビニールを忍ばせておけば十分対応できるだろうと思っています。
また、雨具についてはフロントキャリアに常備する方向で考えているので、雨が降ってきたらまずカバンを斜めがけして、その上から雨具を着ればいいんじゃないかなと。それが一番ラクかもしれません。
なお私の雨具はpatagoniaのストームJKで、メンズサイズなので結構余裕があります。サッチェルバッグを背負ったまま着用しても、おそらく問題ナシ。
サイドバッグで総積載量UP!
ガジェット類と同じく、何よりも「見た目」を優先してモノを選ぶ者としては、Zatchelsのサッチェルバッグに大大大満足! サイドバッグとして取り付けた場合のルックスも、100億点付けたい。
もちろん実用性も高いし、脱着の気軽さもあって、かなり良いカスタムでした。
宿泊ツーリングや機材が多いツーリングでは、サイドバッグだけじゃ荷物が収まりません。そんな時はホームズのクーラーボックス+サイドバッグで走ればOK。キャリアを加工したわけじゃないので、クーラーボックスは今までどおり使えます。
なので、サイドバッグによって積載性がUPした、という感じですね!
既成のサイドバッグは使いたくない方、ぜひ今回のサイドバッグ取り付け方法を参考にしてみてください。いろいろなカバンに応用できると思います!

